netkeiba.com、競馬総合チャンネルのパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による、6日(土)の傾向分析です。明日の予想にお役立てください。
【京都芝】
西日本地区は京都への開催替わり。この4回開催は前日Aコース使用となる。
天候は朝から晴れで、終日良馬場発表。開幕週ではあるが、ごくごく標準的な良馬場といった感じで、基本的に速めの京都コースらしい切れ味が問われる軽い馬場状態。
7R(500万・内芝2000m)は、前半5F59秒2の流れで道中離れた3.4番手追走の
フェータルローズが抜け出し1分59秒1で1着。
9R
清滝特別(1000万・外1800m)も、3.4番手の付かず離れずで、じっくり進めた
サクラアルディートが、圧倒的1番人気
カレンミロティックを上がり3F33秒5で差し切り。11R
デイリー杯2歳Sは向正面で一気に動いた
テイエムイナズマがそのままゴールまで粘って、1分34秒7で1着としている。
このような感じで、標準的な軽い馬場質にあると見ていい開幕日の京都芝だったが、各馬が道中ラチ沿いに拘って競馬をしている訳ではなく、思い思いの位置取りで終いの伸びや粘りを引き出せている、有利不利のないフェアな馬場状態という印象。
枠順に関しても道中は何処を通ってもいいような形でフラットな分、そう大きな偏りも出ていない。若干内枠が有利という程度か。
脚質についても極端な前有利などもなく、非常にフラットな馬場状態と言えよう。
血統面は、外回りでは特に切れ味の問われる馬場ということで、サンデー系の中でも
ディープインパクト中心に瞬発力上位の種牡馬がベター。内回りは心もちパワーの要素も強調されるのか、母父サンデーの父非サンデー系が比較的上位を占めていた。
馬体からは上体がある程度しっかりしていながら、手先が軽くて切れのあるタイプが狙い目になる。
明日・明後日の天気は微妙な情勢。このままフラットに近いラインで進むのか、例によって内目が強くなっていくのかなどは2日間でしっかりと観察しておきたい。
【京都ダート】
ダートも朝から終日良馬場。こちらも京都のダートらしく軽い馬場コンディションとなっており、速い時計が続いている。また、ペースも比較的落ち着いているので、初日はダート6鞍中3勝2着1回3着1回と逃げ馬がとにかくよく残った。
10R
愛宕特別も(1000万・1800m)もやはり逃げ残りで、単騎で逃げた
ショウナンマオが1分50秒9でそのまま押し切り1着。2着・3着も4コーナーで2.3番手に付けた馬が残り、行った行ったの決着となっている。日曜・月曜は土曜夜の雨がどの程度残るかは分からないが、基本的には前有利の馬場と考えて良いだろう。
血統面は軽めの馬場状態とあって、前付け+速い脚も使える
ダイワメジャーなどが優勢に。他は、中距離で
キングカメハメハが筋肉の質的にも合いそう。短距離(特に1200m)は京都ダート1200mで高い実績を残す
サウスヴィグラスが狙い目だ。
【東京芝】
東京の芝も、朝から終日良馬場。4回開催の前半7はAコース、後2日がBコース使用となる。先週日曜から合わせ20ミリ強の降雨があったと言え、芝に関しては殆ど影響がなかったと見て良さそう。7Rの時間帯にあった降雨についても影響はなし。
前半戦はスローペースが多く目立った時計は出ていないが、前半1000m57秒8と前が流れた12R(500万・牝・1600m)では1分32秒5、上がり3F34秒0で
ローズノーブルが抜け出し1着。
11R
オクトーバーS(1600万・2400m)は、前半1000m62秒7の超スローを5番手追走の
ムスカテールが上がり3F32秒9、ゴール前で抜け出して完勝している。
開幕週でも切れ味のある馬の差し・追込みが朝から非常に多く決まっていたのは、東京も同じ。時計面で必要以上に時計が速い(昨今の状況と比較)という印象はないので、瞬発力勝負にいかに対応できるかという点が勝負の分かれ目になっている模様。単調な先行馬では苦しい。
とはいえ、日・月の競馬で先行馬が盛り返すケースもあるかも知れないので、脚質傾向は気を抜かず見ておいた方がいいだろう。
血統傾向は、初日大きな偏りなく、ディープ産駒を中心とするサンデー系、その中でも
ハーツクライや
リンカーンなど
トニービン色のある産駒が複数台頭。
ブライアンズタイム・
マヤノトップガン・
シンボリクリスエスのロベルト系が2勝2着1回3着1回とマズマズの比率で馬券に絡んでいた。
こうしたスタミナ・パワーの要素が強い血統の台頭は、差しが決まっていた状況とリンクしている可能性が十分にありそうで、注目しておきたいところ。
開幕週は野芝約10〜12cmでも、洋芝約14〜18cmと長めに設定されているようなので、日曜は雨量によってさらにスタミナ志向の傾向が強まる可能性も否定できない。良馬場の場合は、脚質面で決め脚が要求されるフラットな馬場、枠は若干内が有利な程度と考えておきたい。
【東京ダート】
東京ダートは朝から良馬場だったが、7Rの時間帯に強い降雨。それでも、最終的には馬場に大きな影響を与えるものにはならなかったと見る。
砂質は中間の降雨の影響か比較的軽めの印象で、10R多摩川特別(1000万・)は道中ラチ沿いの2番手追走した
マスクトヒーローが1分36秒7で1着。
好走脚質も京都ほど極端ではないが、内枠引いた先行〜好位の馬が圧倒的に有利。良馬場でもパンパンではないので、内をロスなく回ったり、しっかりと先行できるタイプの方が望ましい。逆にたとえ力上位でも、(差し・追込みで)外々を回らされた馬に関しては人気馬が着を落としてしまうもケースみられた。
逆に、穴を空けるなら、スンナリ前に行けるタイプが非常に目立つ。これから降雨があった場合はこの傾向がさらに強まると思うので、内枠の馬や前付け出来る馬の台頭に注目しておきたい。
血統は軽い馬場質の前有利という事で、その脚質に該当するサンデー系とミスプロ系が勢力でほぼ二分する形。明日・明後日も同様の傾向が続きそうだ。