「第29回
マイルCS・GI」(芝1600m)は18日、京都11Rに18頭で争われ、好位の内をコースロスなく追走した4番人気の
サダムパテックが、直線で持ち前の切れを発揮し念願のGI制覇を飾った。勝ちタイムは1分32秒9。2着には首差で1番人気の
グランプリボス、さらに3着には半馬身差で5番人気の
ドナウブルーが入った。
見事なエスコートを決めた
武豊は、「本当にうれしいですね。つらいこともあったけど、やっと勝てて良かった」。鞍上にとっては10年
ジャパンC以来、2年ぶりとなるGI制覇。会心の内容に白い歯をのぞかせた。
「直線半ばで勝てるなと思った。マイルの方がいいタイプだし、(荒れた)馬場もこなせる。ここ1、2年の中では、一番チャンスがあると思っていた」。調教師に直訴して確保したパテックの背中。結果を出せる自信をひそかに抱いていた。
西園師は開口一番、「世代で一番強いと言われていた馬なのに、人気になって負けてばかり。ファンに迷惑をかけてきた」と喜びよりも謝罪の言葉を述べた。そして、ようやく無冠のプレッシャーから解放された。
「ロスなく運んでくれたし、最大の勝因は、この
武豊を選んだこと。ユタカで勝ったのは本当に大きい。彼は競馬サークルの宝だから」と鞍上を絶賛した。パテックと
武豊は、天覧競馬の
天皇賞・秋で初コンビ。「本当は、前走で馬上礼をしてもらいたかったが、1走延びてしまったね」。ちゃめっ気たっぷりの顔で周囲を笑わせた。
次走は選出待ちになるが、
香港マイル(12月9日・シャティン)に遠征する予定。「オーナーと相談するが、ぜひ行きたい」と、招待状が届くのを心待ちにする。日本代表の権利は獲得した。「もちろん、鞍上は変えられないよね」。香港での忘れ物は、
武豊とともに取り戻しに行く。
提供:デイリースポーツ