まさに充実一途。はち切れんばかりの好馬体を誇らしげに、
サウンドリアーナが栗東CWで抜群の動きを披露した。
サウンドアフリート(3歳500万下)と併せて、しまい重点に6F81秒0-37秒6-12秒1を記録。ゴール前では激しくたたき合い、勝負根性を発揮してグイッとひと伸び。佐藤正師は「馬場が重そうだったけど、それでも頭を上げないでしっかりと伸びていた。ムキにならずに上手に走っていたね」と理想的な内容に納得の表情を浮かべる。
21年の時を経て、調教師として挑む2歳女王決定戦。騎手時代の佐藤正師を語るうえで、91年の覇者
ニシノフラワーの存在は欠かすことができない。騎手生活23年目で、ようやく手にしたGIタイトル。「能力が高かったからね。ある程度の自信はあったよ」と輝きを放った当時を振り返る。「気の強い面はあったけど、競馬では問題なかった。ための利く馬だった」と振り返る。一方、リアーナの課題こそが“折り合い”だ。2走前の
デイリー杯2歳Sでは、勝ち馬に外からこすられて
パニック状態に。「ああいう体験をしたからね。二の轍(てつ)を踏まないようにしないと」と気持ちを引き締める。
続く前哨戦の
ファンタジーSでは、2番手から後続を突き放す横綱相撲で重賞初制覇。テン乗りだったM・デムーロが新たな面を引き出した。スムーズに運び、かつ折り合いがつけば牡馬顔負けのパワーを発揮できる。「フラワーと共通するところはトモのバネ。走る馬特有のものがあるよ。阪神の芝質とか、直線の坂は問題ないと思う。要は直線に向くまで、いかに脚をためられるか。そこに尽きるね」。頂点に立てる資格は十分にある。競馬人生の第2章-。トレーナーとして、思い出の舞台で悲願をかなえる。
提供:デイリースポーツ