陣営の思い描いている通りに大一番へ向かう。2枠(3)番を引き当てた
ゴットフリートに、斎藤師の表情は思わず緩んだ。
「いい枠じゃないですか。(1)番に匹敵するようですね」と明るい声が漏れた。厩舎開業2年目の07年、指揮官はこのレースで初のGIタイトルを獲得。鮮やかな逃走Vを決めた
ゴスホークケンが(1)番枠だった。最終追い切りのあとには「
ゴスホークケンのときは(8分の1の)抽選を通れば自信があった。同じくらい自信があります」とうなずいたほど。今回は6分の5の抽選をクリアと願い通りに事は運んでいる。
金曜の朝は美浦坂路を軽めに2本。引き続き好気配を漂わせた。「(最終)追い切り後はコズミがあったけど、それはいつも通りのもの。日曜には万全の状態に持っていきますよ」と順調な調整ぶりをアピール。「以前は線が細くて強めの調教ができなかったけど、今はバリバリやれている。一戦一戦成長している」と、充実ぶりは著しい。
今回は強敵ぞろいのGI。それでも前向きな姿勢を貫き通す。「強い馬がいるので“勝てる”とは言えない。でも、中山のマイルなら太刀打ちできるんじゃないかな」。初戦は好位から、また2戦目は後方から上がり3F32秒6の爆発力で差し切った。「どんな競馬でもできるのがいいし、馬込みでもひるまない勝負根性がある。あとはジョッキーがうまく乗ってくれるでしょう」。最高の“流れ”で、2歳牡馬王者決定戦を迎えられそうだ。
提供:デイリースポーツ