26日、今年の4月の香港・クイーンエリザベス2世Cで悲願のGI初優勝を飾り、先日23日の
有馬記念では大きく出遅れながらも3着。国内外の重賞5勝を挙げた、
ルーラーシップ(牡5、栗東・角居勝彦厩舎)が引退、今後は社台スタリオン
ステーションで種牡馬入りすると、馬主であるサンデーレーシングが発表した。
ルーラーシップは、1997年
天皇賞・秋などGI2勝、重賞7勝を挙げて90年代後半を代表する名牝
エアグルーヴの仔として、2009年12月2日の新馬戦(阪神芝2000m)を勝利。
3歳時は2010年
プリンシパルSで5馬身差の圧勝を飾り、次走・
日本ダービーでは当時「最強世代」と言われた
エイシンフラッシュ、
ローズキングダム、
ヴィクトワールピサなどに後れを取っての5着。
菊花賞は休養で出走できなかったが、約半年ぶりの実戦復帰なった
鳴尾記念(阪神1800m)で、同世代でのちのGI馬・
ヒルノダムールを破って重賞初勝利。
4歳時は、2011年1月の
日経新春杯を快勝、ドバイ遠征を挟んで出走となった5月の
金鯱賞(京都芝2000m)が、この年の
ハイライト。ぬかるんだ不良馬場で出遅れてしまい、序盤は離れた最後方からの追走となりながら、一気のひとマクり、最後は後続を突き離して勝ち切る離れ業を見せた。その後は
宝塚記念で5着、再度休み明けとなった
有馬記念では4着。
いよいよ本格化の時期に入った5歳時は、
金鯱賞と同じく不良馬場の
AJCCを3馬身差で完勝し、
日経賞で3着。高い素質は誰しもが認めるところではあったが、波に乗れそうで乗れない周期が続いていた中で挑んだ今年4月の香港・クイーンエリザベス2世Cで、悲願のGI初優勝を飾った。その後は、国内GI勝利を目指すも、
宝塚記念で
オルフェーヴルに敗れて2着。この秋は、出遅れ癖を覗かせるようになり、
天皇賞・秋、
ジャパンCで追い上げ及ばず連続3着。現役最後のレースとなった
有馬記念では、6〜7馬身もの大出遅れとなって、場内からも大きな悲鳴が上がる最悪のスタート。しかし最後は、ゴール前で猛然と追い込んで3着と、自身の競走能力の高さを存分に示した矢先の引退発表となった。
父キングカメハメハ、
母エアグルーヴ、
その父トニービンという血統で、日本競馬が育て上げてきた優秀な母系とともに、今どきの競馬界では珍しい、「
サンデーサイレンス0%」の超良血馬。強く、逞しく、そして時に脆くと、競走馬としても愛嬌たっぷりの走りでファンを魅了してきた個性派の走りは見納めとなったが、血統背景からも前途は洋々。今度は種牡馬としての活躍が、大いに期待される。
【プロフィール】
◆
ルーラーシップ(牡5)
厩舎:栗東・角居勝彦
父:キングカメハメハ母:エアグルーヴ母父:トニービン馬主:サンデーレーシング
生産者:ノーザンファーム
通算成績:20戦8勝(重賞5勝)
主な勝ち鞍:2012年クイーンエリザベス2世C(香港-GI)