「第30回
フェブラリーS・GI」(ダート1600m)は17日、東京11Rに16頭で争われ、中団を追走した3番人気の
グレープブランデーが、直線で先頭に立った9番人気の
エスポワールシチー(2着)をゴール前できっちりととらえて差し切りV。1分35秒1のタイムで11年
ジャパンダートダービー以来となるGI2勝目を飾った。3着は首差で7番人気の
ワンダーアキュート。なお、初のダート挑戦で注目を集めた1番人気の
カレンブラックヒルは好位でレースを運んだが、直線で失速し15着に敗れた。
浜中は「昨年はリーディングになったけど、GIを勝っていないのは格好悪いと思っていた。結果が出せてホッとした。これで一皮むけていける気がします」と安堵の表情を浮かべる。募っていたじくじたる思いを振り払った。
気負いのない、上品なレース運びだった。好スタートを切って先行争いを見る。慌てず手綱を押さえて7番手のイン。「思っていたより1列前で競馬ができた」と浜中は振り返る。「以前乗ったときと全然違っていた。体と気持ちがうまくかみ合っていましたね。馬が自分から進んでいってくれた」。自分の好騎乗は横に置き、骨折を乗り越えて頂点に立った馬をたたえた。
予備登録しているゴドルフィンマイル・GII(3月9日・UAEメイダン、オールウェザー1600m)について安田師は「輸送などもあるし、今後はオーナーとじっくり相談して」と慎重な姿勢だ。国内に目を向ければ
帝王賞、
JBCクラシック、JCダートに
東京大賞典…ダートの王道路線は、この馬向きの中距離戦がずらりと並ぶ。
「距離としては、JCダートの方が走りやすいと思います」とトレーナーも分析した。浜中が導いたダート界の頂点。
グレープブランデーにとってはその地位を守る1年間になる。
提供:デイリースポーツ