ゴールドシップは地下馬道から勢い良く栗東CWに飛び出すと、いきなり猛ダッシュ。レースの本馬場入場と同じく、やんちゃな一面をのぞかせた。なだめられてすぐに落ち着きを取り戻すと、
タイセイモンスター(4歳1000万下)の3馬身半後方から最終追い切りがスタートした。
向正面では、馬場入り直後に見せた激しい一面がうそのように、じっくりと僚馬を追走。3コーナー手前から外を回りながら徐々にスピードを上げ、4角では早くも並びかけた。直線で右肩にムチが2発入ると、さらに1段ギアを上げて豪快な伸びを披露。6F79秒1-37秒4-12秒0で貫禄の3馬身先着を決めた。須貝師は「気が緩むところがあるので、しまいは気合をつけるように指示した。イメージ通りの仕上がり」と納得の表情を浮かべていた。
古馬になって肉体はさらにパワーアップした。胸前は筋肉で盛り上がり、はち切れんばかりのボリューム。「
有馬記念で今のような体へとつくり替えたが、それがようやく本物になってきたね」と自信を見せる。昨年は
皐月賞、
菊花賞のクラシック2冠に加え、古馬との初対決となった
有馬記念を快勝。厳しい戦いで得た経験を自らの血肉に変え、一歩ずつ完成の域に近づきつつある。
4冠目を狙う
天皇賞・春に向け、指揮官は「あくまでも今回は前哨戦だが、そうは言っても、ここも落とせない気持ちはある」と言い切る。勝って本番へ、そして
ジェンティルドンナや
オルフェーヴルとの“3強対決”の期待が集まる
宝塚記念(6月23日・阪神)へ。21世紀の芦毛の怪物伝説第2章がここで幕を開ける。
提供:デイリースポーツ