開門直後の栗東坂路に一番乗りした
オルフェーヴルは、先行する
オンワードシェルタ(7歳障害オープン)を1馬身追いかける形でスタート。残り300mで馬体を並べ、200mで前に出ると2馬身半先着を決めた。4F52秒2-38秒2-12秒3。軽く仕掛けただけで好タイムをはじき出した。始動戦を前に池添は「先週も反応が良かったけど、プラス気合乗りがいい。毛ヅヤもフットワークも良くて、いい休養が取れたな、と感じた」と力強くうなずいた。
レース1週前、当週と主戦が2週連続で騎乗するのはこれまでと同じ。「いつも右へもたれる馬で先週も内へよれていたけど、今回は真っすぐに走っていた。気合がすごく乗った」。手綱越しから伝わってくる“好調”の
サインに確かな手応えをつかむ。
競馬史に残る衝撃的なレースから約1年が過ぎた。昨年の
阪神大賞典では2周目3コーナーから外へ逸走。止まりそうな格好で最後方まで下がったが、そこから再び闘志を燃やして馬群に戻り、勝ち馬に半馬身差の2着まで詰め寄った。「昨年は初戦でああいうことがあって、そのあとリズムを崩したので…」。狂った歯車を元に戻せずに
天皇賞・春は11着に敗れただけに、「大事な初戦なので結果を出したい」とVを誓った。
今年はより慎重かつ最善の形で始動戦を迎えることを選択した。
有馬記念をパスして
ジャパンカップのあと4カ月の休養を取ったことで完全にリフレッシュ。昨年とは違い、競馬のしやすい中距離からスタートさせる。「掛かるところがある馬なので、3000mよりも2000mの方が乗りやすい。自分のレースをするだけです。まず一番に折り合い。そして、当日見せる顔がレースによって違うので、しっかりと呼吸を整えてコンタクトを取りたい」と表情を引き締めた。
提供:デイリースポーツ