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大種牡馬ブライアンズタイムが放牧中の事故で死亡

  • 2013年04月04日(木) 20時10分
 4日午前、種牡馬として中央・地方合わせてGI馬16頭、GI勝利数のべ35勝を挙げ、1990年代初頭から日本競馬界における大種牡馬として多数の活躍馬を送り込んだブライアンズタイムが、放牧中の事故により右後大腿骨骨折を発症、繋養先の北海道日高郡新ひだか町静内のアロースタッドの放牧地で、関係者に見守られながら、安楽死の処置が取られた。28歳だった。

 ブライアンズタイムは、現役時代にアメリカで競走馬として過ごした後、種牡馬として1990年から日本へ輸入され、北海道新冠町の早田牧場(当時)で供用を開始。競馬ブームに沸く中、初年度産駒として1994年のクラシック3冠馬ナリタブライアンを輩出したのを筆頭に、1995年菊花賞有馬記念、1997年天皇賞・春などGI・4勝を挙げたマヤノトップガン、2002年の日本ダービー馬に輝いたタニノギムレットなど、GI馬や一線級の活躍馬を長年に渡り多数輩出し、2003年からは、現在のアロースタッドに移動した。また、ぼぼ同時期に日本の生産界に輸入された、サンデーサイレンス(2002年死亡)や、トニービン(2000年死亡)とともに、リーディングサイアー「御三家」の一角として、近年における日本競馬生産界の底上げに大いに貢献した。

 サンデーサイレンストニービンが亡き後も、10年以上に渡って現役種牡馬として息長く活躍しており、2009年にヴィクトリー皐月賞を制すると、同世代のフリオーソが地方交流GI・6勝を挙げて地方競馬の雄として大活躍。自身が20歳代に差しかかっても、最大のセールスポイントであった大一番での爆発力と丈夫で緩やかな成長曲線を描く産駒を送り込んだ。また、記憶に新しい昨年のエリザベス女王杯では、レインボーダリア(牝6、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)が7番人気で制し、ブライアンズタイム産駒による20年連続重賞制覇を成し遂げている。

 長きに渡る種牡馬生活において、ブルードメアサイアー(母父)としてもその地位を着実に固めており、2000年の秋華賞を制したティコティコタック(父サッカーボーイ)を皮切りに、ダートGIで7勝を挙げているエスポワールシチー(父ゴールドアリュール)や、2009年の菊花賞スリーロールス(父ダンスインザダーク)、昨年の天皇賞・春を制したビートブラック(父ミスキャスト)など、GI勝ち馬を複数輩出している。

 さらに、自身の後継種牡馬であるタニノギムレット産駒ウオッカが、牝馬としては実に64年ぶりの日本ダービー制覇を果たし、GI・7勝を挙げる大活躍で一時代を築くなど、1990年代以降の日本の競馬史に数々の功績を残した。

 JRA通算勝利数は、歴代3位の1593勝(3月31日現在)。中央、地方をあわせると3300勝以上を記録した大種牡馬が、28歳を迎えた春、予期せぬ形で急逝した。

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