もはや強い調教は必要なかった。
メイショウマンボの最終リハは、武幸を背に栗東坂路で
メイショウユニオン(3歳未勝利)と併せ馬。闘志に火をつけないよう、併走馬との間は3頭分ほどのスペースを保ったまま。手綱は終始抑えていたが、弾むように駆け上がり、4F55秒5-40秒2-13秒1で併入した。
1週前にしっかり負荷をかけてきているだけに、武幸は「きょうはそんなにやっていないが、先週も乗せてもらって、ここまで
桜花賞に向けてやってきた。いい状態で臨めそう」と好感触。飯田祐師も「55秒を切らないようにとの指示。上手に乗ってくれましたね。順調に来ていると思う」と手応えを口にする。
陣営の努力が、再びGIへの道を切り開いた。課題のゲート難もあり、阪神JFは10着。
紅梅Sもゲートになかなか入らず、中で立ち上がったりと悪癖を見せた。レース後の2週間は思い切って調教を控え、ゲート練習のみにあてた。「一種の賭けだった」と飯田祐師も振り返るが、その後は
こぶし賞、
フィリーズレビューを連勝。今回、(18)番枠からの発走になったが「内でごちゃつくのも嫌だったし、大外でもいい。最後に入れますし」と今村助手に不安はない。
98年の
桜花賞で7着の祖母・
メイショウアヤメや母の
メイショウモモカを管理した飯田明師も、ゆかりの血統で臨むGIに「うれしいね。
アヤメは体が無かったが、この馬は骨格が大きいから」と力が入る。勝てば、自身にとって初のGI制覇。メイ
ショウ勢にも初の牝馬クラシックVがかかるだけに、この一戦にかける思いは強い。
主戦も同じ気持ちだ。「最初に携わっていた飯田(祐)先輩が調教師に合格され、
桜花賞に向けて、と依頼された。その馬で出られるのはありがたい」と前を見据える。同じく
トライアルを制した
クロフネサプライズに騎乗する
武豊との兄弟対決にも注目が集まるが「兄貴は何回も勝っているんで、今回は勝たせて」。こん身の騎乗で勝利へと導いてみせる。
提供:デイリースポーツ