自慢の末脚をさく裂させる態勢が整った。
エバーブロッサムの攻め気配は申し分ない。最終追い切りは美浦Wで
ラルゴスパーダ(3歳未勝利)と併せ馬を行い、最後まで馬なりのまま余力たっぷりに併入。4F53秒5-39秒3-13秒0を記録した。実際の数字以上にスピード感のある動きに、手綱を取った戸崎圭も確かな手応えを感じ取る。
「ずっと楽でしたし、いい状態をキープしていますね」。今年3月に
JRAへ移籍して以降、先週までに早くも27勝を挙げているが、重賞Vにはまだ手が届いていない。最も惜しかったのは「あと1センチ、ゴールが先なら勝っていた」という、この馬での
フラワーC(2着)だ。「前走はしっかり走ってくれたので、今回もいい結果を期待したいですね」と意気込む。
厩舎のスポークスマンを務める、橋本助手の感触も良好だ。「いつも通り4Fから。しまいの反応が良かった。馬体に張りが出て、新馬戦のころと比べると雲泥の差がある。競馬も3回走って慣れてきたようですね」と成長ぶりに目を細める。
登録のあった2週前の
桜花賞は結果的に賞金不足で除外された形だが、陣営は当初から、この
トライアルへと照準をピタリと定めていた。鞍上も「ゆったり行ける分、府中は向いていると思います。距離が2000mに延びても大丈夫。しまいはしっかり伸びるので、能力を出し切りたいですね」と自信の表情だ。いかにも
ディープインパクト産駒らしい瞬発力は、直線の長い東京コースでより生きるに違いない。
提供:デイリースポーツ