「人生は山あり谷あり」とはよくいったものだが、悪い時、つまりは「谷」が深ければ深いほど、必然的に次に来る良い時の「山」は高くなる。それも大馬主になるような勝ち組であれば、苦境を乗り越えて訪れる幸福の"ビッグウェーブ"も、ことさらに大きなものだろう。
中略
先週のヴィクトリアマイル(G1)で連敗記録をストップし、今週末のオークス(G1)に有力候補の一角アドマイヤミヤビを送り込むアドマイヤ軍団総帥・近藤利一オーナーだ。
先週までの「アドマイヤ軍団」も、かつてのサトノ軍団のように深い泥沼にハマっている状況だった。2008年の天皇賞・春(G1)をアドマイヤジュピタで勝って以来、約9年間でJRA・G1を46連敗(平地のみ)。かつては毎年のようにG1制覇を成し遂げていた常勝軍団が、大舞台で噓のように勝てなくなっていた。
しかし、先週のヴィクトリアマイル(G1)をアドマイヤリードが制したことで、ついに連敗記録に終止符。里見オーナーがセガサミーの会長であれば、こちらも建築解体工事会社・合建の会長となる近藤オーナー。紛れもない社会的成功者であり、その人間力も運も一般の想像を遥かに超えているに違いない。
耐えに耐えた「反動」が、とんでもない"大波"を呼び寄せても驚けないはずだ。
その手始めとなるのが、今週のアドマイヤミヤビだ。桜花賞では2番人気に支持されるも、まさかの12着大敗。スタートで後手を踏むと道中でまったくついていけず、道悪にも手を焼いて最後まで本来の走りを見せることができなかった。
しかし、本馬は2014年のオークス馬ヌーヴォレコルトと同じハーツクライ産駒ということもあって、もともと「オークスでこそ」といわれていた存在。陣営も桜花賞までの2戦であえて東京遠征を敢行しており、明らかに桜花賞よりもオークスを狙ったローテーションが組まれている。
2月のクイーンC(G3)で破ったアエロリットがNHKマイルC(G1)を勝ち、レーヌミノルは桜花賞馬。2歳時には弥生賞馬のカデナも退けた東京コースが舞台なら、巻き返しは必至の存在であるはずだ。
昨秋はサトノ軍団の逆襲だったが、今週はアドマイヤ軍団の逆襲開幕となるだろうか。まずは"雅"が流れを持ってくる。
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