キズナは栗東CWで体をほぐしてから、
武豊を背に栗東坂路で
ウォーターパーク(3歳未勝利)と併せ馬。序盤は馬なりで馬体を並べて駆け上がり、ラスト1F手前で左の肩ムチが入ると瞬時に
ギアチェンジ。手綱をしごかれるとス
トライドを伸ばし、必死に食い下がる僚馬を突き放した。4F54秒3-39秒2-12秒4。豪快に1馬身半先着を決めた。
鞍上は「動きはすばらしかった。2歳から乗せてもらっているけど、全体的にしっかりしてパワーアップしていると感じる」と絶賛。見届けた佐々木師も「いいですね。とにかく、やりなさ過ぎだけは嫌だった。残り1Fビッシリという指示で、その通りいい動き。4F56秒くらいと思っていたけど、ジョッキーが乗っていたのもあって動いたね」と声を弾ませた。
父ディープインパクトは05年に5馬身差で世代の頂点に立った。当時の2着が佐々木厩舎の
インティライミだ。「ディープで勝ったときは先生の馬を負かして悪いことをした。今年は一緒に勝てれば」と鞍上はユーモアたっぷりにV宣言。指揮官も「ダービーに有力馬で出られるのはうれしいし、こういう馬をやらせてもらえるのはトレーナー冥利(みょうり)に尽きる。あんまり言うと、豊ちゃんにプレッシャーかけちゃうかな」と満面の笑みを浮かべた。
ジョッキーとトレーナーの2人でそろって共同会見に臨むなど、陣営の絆(きずな)は日増しに強まり、ムードも最高潮だ。「最終追い切りまで万全の態勢できた。悔いの残らないレースをして勝ちたい。僕自身も今年のダービーにかける思いは強い」と締めくくった
武豊。心強い相棒とともに、前人未到のダービー5勝目をつかみ取る。
提供:デイリースポーツ