「第80回ダービー・GI」(芝2400m)は26日、東京10Rに18頭で争われ1番人気の
キズナ(栗東・佐々木)が、大外一気で栄冠を獲得した。スタートで抑えると、1角を16番手で回る。各馬が動き出した4角手前でも慌てずに大外に持ち出すと、14頭をごぼう抜きして先頭でゴール板を駆け抜けた。勝ちタイムは2分24秒3。半馬身差の2着には3番人気の
エピファネイア。3着には1馬身1/4差で8番人気の
アポロソニック。なお、2番人気の
皐月賞馬
ロゴタイプは、伸び切れず5着に敗れた。
ディープ産駒の
キズナと果たしたVに
武豊は「5回目の勝利ですけど、本当に本当にうれしい。ディープの子で格別です。この馬がまた僕をダービージョッキーにしてくれた。騎手人生でも大きなダービーでした」とファンの前で堂々と復活を宣言した。
今回が通算4度目の祭典挑戦の佐々木師は「
皐月賞をパスすることを決めたとき、オーナーは“好きにしろ”と言ってくださった。ローテが間違っていなかったことを証明できて良かった」と安堵の表情。
既に登録済みの
凱旋門賞・仏GI(10月6日・ロンシャン、芝2400m)についても参戦プランがより具体性を帯びてきた。「前哨戦は
札幌記念(8月18日・函館、芝2000m)かな。コースはきついけど、洋芝だし。それから検疫に入って…という感じになると思う」とローテ案を口にし、04年
タップダンスシチー(17着)以来のフランス遠征に力を込めた。ひとまず鳥取県の大山ヒルズへ放牧に出され、今春の激戦の疲れを癒やす予定だ。「ダービー馬になったということは、将来が約束されたということ。これからが責任重大だね」。新たな大目標に向けて一直線。武者震いする指揮官の背中に、大きな風が吹いた。