“善戦マン”を返上する。
アドマイヤタイシが朝一番の栗東坂路をリズミカルに駆け上がった。ラスト1Fで鞍上から軽く合図を送られると、反応良く末脚を伸ばして4F53秒5-39秒3-12秒8をマーク。またがった橋本助手は「いつも通りの感じでした。決め手にも磨きがかかってきた気がする」の納得の表情。見届けた橋田師も「思い通りの追い切りができた。ちょっと暑いのが苦手なタイプだが、ここまで順調にきている」と満足げな笑みを浮かべた。
昨秋の
福島記念を皮切りに、直近の重賞5戦は全て2着。どんな展開でも帳尻を合わせるかのように銀メダルを獲得してきたが、あと一歩のところでタイトルを逃し続けているのも確かだ。
「ここ2戦は、その前の3戦よりも3、4コーナーでの手応えが良くなっていた。同じ2着でも内容が違いますね。速いペースにも対応ができるようになったし、力をつけていますよ」と担当の松田助手は目下の充実ぶりに胸を張る。久々の1800m戦も歓迎要素。「以前は千八の方が得意だったぐらい。問題はないでしょう」と、仕上げ人はもどかしい現状の打破に自信を漂わせた。
別定戦で、背負う斤量は57キロ。これについては「マイナス材料ですね」と師は苦笑いをしたが、条件不問で上位争いを繰り広げてきた実力の証しでもある。「相手がどうであれ、自分の能力をしっかり発揮してくれる。毎回、一生懸命に走ってくれるので頭が下がりますね。ここでそろそろ決めたいところ」。持ち味の器用さで、悲願の重賞初Vを果たしてみせる。
提供:デイリースポーツ