現地時間11日、夏の欧州マイル王を決める仏GI
ジャックルマロワ賞が
ドーヴィル競馬場で行われ、単勝2番人気の
ムーンライトクラウド(牝5、Fヘッド)が1分33秒39(良、前半5F58.34、上がり3F34.90)のコースレコードで優勝した。
98年には岡部幸雄騎手が
タイキシャトルで欧州GI初制覇を遂げた真夏の大一番。今年は出走馬13頭中GI馬6頭という豪華カードとなり、中でも
凱旋門賞の前売りでも人気に推されているフランスのダービー馬アンテロと、10戦8勝の英2000ギニー馬ドーンアプローチの初対決に注目が集まった。
9000人を超える大観衆が見守ったレースでは、勝負処からもたつく3歳2強を横目に
ムーンライトクラウドが抜群の切れ味を発揮。ベテランのT・ジャルネ騎手に導かれると、先週の
モーリスドゲスト賞に続く2週連続・通算5勝目となるGI勝利を見事に飾った。
モーリスドゲスト賞と
ジャックルマロワ賞を同一年に制覇するのはGI昇格後初の快挙で、タイムフォーム誌が付けた128の暫定レーティングはトレヴの124を上回る欧州現役牝馬最高値となった。
後方から追い上げたL・デットーリ騎乗のオリンピック
グローリーが2着に食い込み、1番人気のアンテロは勝ち馬から約2馬身差の3着。ドーンアプローチはさらに6馬身離された5着と大敗した。
アンテロ陣営は次走について明言を避けたが、レーシング
マネージャーのP・ビュロー氏は「マイルの強豪相手によく走ってくれた。今後は距離を伸ばして戦うことになるだろう」と語った。(取材・写真:沢田康文)