木曜の函館で唯一行われた芝での追い切りは、盛夏を彩る美しい光景だった。快晴の空の下、鮮やかなグリーンの芝生を気持ち良さそうに、鍛え抜かれた黒鹿毛の
ルルーシュがさっそうと駆け抜けた。
レッドフォルツァ(4歳1000万下)を0秒1追走し、4角で外から並びかけてスパート。直線では舌を出しながら楽々と僚馬を抜き去り、格の違いを見せつけて半馬身ほど先着を果たした。
5F67秒3-38秒6-12秒3に、藤沢和師は「思っていたよりも時計は遅かったが、6F過ぎから行っているし大丈夫。いいんじゃないかな」と理想的な内容に納得の表情。騎乗した古川(レースは内田博)も「やはりこのクラスの馬。いい馬だね。操縦性が高いし、素直で乗りやすいよ」と素材の良さを絶賛した。
体質の弱さからこれまでは思い通りの調整ができなかったが、5歳夏にして本格化の兆し。指揮官は「年を重ねて元気になった。今は思い通りに休んだり使ったりできる」と成長に目を細める。
始動戦は函館の芝2000m。若干忙しい印象も受けるが、師は「
巴賞(芝1800m、昨年2着)も使ったことがあるし大丈夫。東京がいい馬だから、秋には天皇賞(10月27日・東京、芝2000m)を使いたいんだ」ときっぱり。盾獲りへ向けて、北の大地で行われるGIIは何としても手に入れたいタイトルだ。僚馬で、先週の
関屋記念を快勝した
レッドスパーダと同様、夏を制して秋の飛躍へとつなげる。
提供:デイリースポーツ