満月に見守られ、日本のエースがアクションを起こした。午前3時半過ぎ。
オルフェーヴルは帯同馬の
ブラーニーストーン(6歳1600万下)を前に見る形で栗東坂路を駆け上がる。ラスト200mでパートナーに並びかけると、胸のすく加速を示した。4F52秒8-38秒2-11秒9。2馬身の先着を決め、
凱旋門賞・仏GI(10月6日・ロンシャン、芝2400m)へ向けての国内最終追い切りを打ち上げた。
「時計は予定通りでしたし、息の入りもまずまず。動きに関しては、思っていた以上に良かったですね」。運動誘発性肺出血を発症したため、予定していた
宝塚記念を回避。体調の回復に努めながら、再構築を図ってきた池江師は、戦う準備を着々と整え始めた愛馬を頼もしげに見つめた。
今後は24日に出国して、昨年制したフォワ賞・仏GII(9月15日・ロンシャン、芝2400m)から本番へ挑む。「メニューは昨年と同じような形で進めていくことになりますが、足りなかった面は見つかっているので、少しずつアレンジをしていきたいと思っています」。現地では、広いコースでの調教を加えていくプランも持っている、と同師は話す。
全ては昨年2着、手のひらからこぼれ落ちた夢をいま一度取りに行くため。さあ激動の10月へ。熱い秋が、もうすぐやってくる。
提供:デイリースポーツ