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競馬の祭典ブリーダーズC、50歳のG.スティーヴンス騎手が連日のメイン制覇

  • 2013年11月03日(日) 19時28分
 30回目の区切りを迎えたブリーダーズカップ(BC)・ワールドチャンピオンシップスは、昨年に続いてカリフォルニア州サンタアニタ競馬場での開催となり、11月1・2日に行われた。

 BC全14レースのうち初日には5レースが行われた。この時期の2歳の芝は、やはりヨーロッパ調教馬のレベルが高い。BCジュベナイルターフ(芝8F)は、イギリスで調教されているゴドルフィンのアウトストリップが勝って、英G2シャンペンSに続く重賞2勝目。BCジュベナイルフィリーズターフ(芝8F)は、やはりイギリスから遠征のクリセリアムが直線大外一気を決め、英G1フィリーズマイルからG1連勝となった。

 初日、もっとも注目されたのは牝馬によるBCディスタフ(ダ9F)。昨年まではBCレディーズクラシックというレース名で行われていたが、今年から以前のレース名に戻された。このレース3連覇がかかる5歳のロイヤルデルタ、前走でそのロイヤルデルタを負かしている3歳のプリンセスオブシルマー、同じく3歳のビホルダーと、ロイヤルデルタのドバイ遠征を除けばいずれも今年は2着を外しておらず、G1タイトルもあるという強力な3頭が出走したこともあり、6頭立ての少頭数の争いとなった。

 1番人気に支持されたロイヤルデルタは2番手を追走したものの3コーナーからずるずると後退。直後でマークしていた3番人気のビホルダーが4コーナーで逃げ馬をとらえると直線では後続を寄せつけず、2着のクローズハッチズに4馬身1/4差をつける圧勝となった。ロイヤルデルタは4着。2番人気のプリンセスオブシルマーは見せ場なく最下位6着だった。

 牝馬3強対決を制したビホルダーは、昨年のBCジュベナイルフィリーズに続いてBC2年連続制覇でG1・5勝目となった。

 芝でのヨーロッパ勢の勢いは2日目も続いた。BCフィリー&メア・ターフ(芝10F)は、2番手を追走していた1番人気のダンクが直線で抜け出しG1初制覇。1/2馬身差の2着にロマンティカが入り、ヨーロッパ調教馬のワンツー。3着のオルテライトも2走前にフランスから移籍したばかりだった。

 そしてBCターフ(芝12F)は、愛チャンピオンSを制し、当初予定していた凱旋門賞を回避してここを狙ったザフューグが断然人気。3コーナーでは連覇を狙うアメリカのリトルマイクが先頭に立ったが、中団から進出してきたザフューグが4コーナーで並びかけ直線先頭へ。そのまま押し切るかに思えたが、後方を追走していた6番人気のマジシャンがゴール前で一瞬にして交わし去った。勝ったマジシャンは、今年の愛2000ギニーに続いてこれがG1・2勝目。1/2馬身差でザフューグが入り、ここもヨーロッパ調教馬のワンツーとなった。

 しかしBCマイル(芝8F)では、昨年の北米年度代表馬ワイズダンが断然人気にこたえ圧巻のレースを見せた。10頭立ての7番手あたりを追走していたが、直線外から豪快に伸びて差し切り勝ち。直線一旦は先頭に立っていたザアプルーヴァルには3/4馬身差だが、完勝という内容だった。ワイズダンは昨年のBCマイルも含め昨年8月から破竹の9連勝を飾っていた。しかし前走、大雨でオールウェザーに馬場変更となったシャドウェルターフマイルでは不覚をとって2着。それでもこのBCマイル連覇を果たし、今年ここまでの成績は7戦6勝(うちG1・4勝)2着1回。2年連続で北米年度代表馬に選出される可能性が高い。

 そしてメインのBCクラシック(ダ10F)は、3度目の挑戦となるゲームオンデュードが断然人気となった。一昨年は2着、昨年は1番人気に支持されながら7着。しかしその後はG1・3勝を含め6戦負けなしと、期待されるのも当然だ。3頭による先行争いから3コーナーでゲームオンデュードが仕掛けて先頭に立ちかけたところ、直後でマークしていた2番人気のムッチョマッチョマンがこれを見て外からとらえにいった。交わされたゲームオンデュードに余力はなく直線で後退。ムッチョマッチョマンが単独で抜け出しそのまま押し切るかにも思えたが、ヨーロッパから遠征のデクラレーションオブウォーウィルテイクチャージが迫って3頭横一線のゴール。内で鞍上が手を挙げたムッチョマッチョマンがしのぎきり、外のウィルテイクチャージは角度によっては差し切っているようにも見えたがハナ差2着。真ん中のデクラレーションオブウォーはアタマ差で3着だった。

 ムッチョマッチョマンのゲイリー・スティーヴンス騎手は、前日のBCディスタフと両日のメインを勝利。現在50歳で、今年1月にじつに約7年ぶり2度目の現役復帰を果たし、騎乗数を制限しながらもプリークネスSを制するなど大レースで健在ぶりを示していた。BCクラシックの表彰式で見せた涙をこらえるような表情が印象的だった。
(取材・写真:斎藤修)

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