ダービー馬の貫禄を見せつけた。勝ち馬に
天皇賞・春(5月4日・京都、芝3200m)の優先出走権が与えられる「第58回
大阪杯・GII」(芝2000m)は6日、阪神11Rに8頭で争われ、2番人気の
キズナ(栗東・佐々木)が直線一気で勝負を決めた。道中は最後方に待機。勝負どころから勢いをつけると、直線は一頭だけ次元の違う末脚であっさり差し切った。勝ちタイムは2分0秒3。1馬身半差の2着は2番手追走から粘りこんだ6番人気の
トウカイパラダイス。1番人気の
エピファネイアはジリジリと差を詰めたが、さらに首差の3着までだった。
「いいレースができましたね。
キズナらしい、本当に素晴らしい末脚でした。今年大きな仕事をともにやっていきたいと思っているし、まずは初戦をいい形でスタートできました」。
武豊は誇らしげに胸を張った。
「ワンアップどころか、ツーパワーアップ」と佐々木師がうなずいたように、体重はダービー制覇時に比べて20キロ増となる498キロに。迫力満点の馬体が繰り出すフットワークは、重厚さが増していた。4着に奮闘した
凱旋門賞から半年。進化した姿で帰ってきた。
「日本で一番強いと思っている。国内で負ける訳にはいかない」と佐々木師が話せば、
武豊も「一般的に一番充実していると言われている時期。ダービー馬として課せられている期待に応えていきたい」と言い切った。
次走の
天皇賞・春も、もちろん落とせない一戦だ。全ては秋の
凱旋門賞(10月5日・ロンシャン、芝2400m)制覇に向けて。いよいよ幕が開けた
キズナの第2章。待ち受ける未来は、きっと明るい。
提供:デイリースポーツ