思い出づくりでも、話題の提供でもない。1991年の
ダンスダンスダンス(5着)以来、実に23年ぶりとなる牝馬の
皐月賞挑戦。
フラワーCを勝った
バウンスシャッセが、異例のローテで牡馬に挑む。「牝馬でも気持ちがどっしりしている。カイバも男馬よりしっかり食べるし、非常にタフな馬ですよ」と津曲助手。勝てば48年の
ヒデヒカリ以来、66年ぶり3頭目の快挙となる。
即決だった。前走の
フラワーCは直線で馬群の中から抜け出し、後続に2馬身差の完勝。賞金加算に成功すると、藤沢和師は
皐月賞挑戦を高らかに宣言した。「この馬は距離が長い方がいいタイプ。牡馬相手は大変だと思うけど、2キロの斤量差があるから」。追加登録料200万円を払って出走する。
父ゼンノロブロイは04年に
天皇賞・秋、
ジャパンC、
有馬記念を3連勝。母はスタミナ豊富な血脈で、血統的な裏付けは十分にある。その父母から受け継いた恵まれた馬体は、今の荒れた馬場も全く苦にしない。まさに勝算あっての参戦だ。
15日は朝一番の坂路を軽快に駆け上がり、順調ぶりをアピールした。「前走は直線で寄られてもひるむことがなかったし、とても収穫のある内容。レース後の馬体の回復も早かったです」と津曲助手。厩舎悲願の牡馬クラシック制覇へ-。紅一点が歴史に名を刻むか。
提供:デイリースポーツ