■トゥザワールド、トーセンスターダムを管理する池江泰寿調教師

――有力馬2頭で迎える皐月賞ウィークですね。

「幸せな気持ちと切ない気持ちと両方です。切ないのは、やっぱり皐月賞に駒を進められなかった馬もたくさんいますので。その馬たちの分も頑張ってもらいたいなと思います」

――まず、弥生賞を勝ったトゥザワールドについて伺います。

「弥生賞は正直、差されて2着かなと思ったのですが、本当によく凌いでくれました。いままで勝ったときは突き放すような競馬が多かったので、(弥生賞前は)接戦になったらどうなのかな？　という懸念もありました。そういう意味では、あの接戦を制したということは勝負根性があるということ。ある意味、そういう面も見られてよかったなと思います」

――初の長距離輸送、皐月賞と同じコースも経験しましたね。

「もともと精神的にしっかりした馬なのでこなしてくれると思ったのですが、実際に経験できてよかったなと思います。課題をひとつひとつクリアして、不安が本当に少ない状態で皐月賞を迎えられますね」

――雨については？

「ある程度、こなしてくれると思います」

――いまの中山の馬場については？

「Bコースに変わってから時計も速くなっていますし(馬場も)だいぶ良くなっています。どの馬も条件は五分ですし、そんなに不安視はしていません」

――追い切りについては？

「今朝は3頭併せで最後方から進めました。動きもタイムもいうことないですし、折り合いもしっかりついている。GOサインに対しても緩急自在です。中山向きだな、と思いますね」

――母はトゥザヴィクトリーですね。

「桜花賞はギリギリ滑り込みセーフ。オークスは勝ったと思ったらウメノファイバーにさされてハナ差の2着。お母さんはクラシックに縁がなかったので、ぜひ息子でリベンジしたいという気持ちも強いです」

――最後に皐月賞へ向けての抱負を。

「お母さんはあと一歩でクラシックは勝てませんでしたが、ぜひ息子でクラシック第一弾、気持ちよく勝ちたいと思いますので応援よろしくお願いします」

――続いて、トーセンスターダムについてです。

「決して着差は大きくないのですが、きっちり勝つところがこの馬の能力の高さだと思います。デビュー前から豊ジョッキーが“ダービー向きの馬に”と競馬を教え込んでいます。その中でしっかりしたレースをしています」

――デビューから3連勝中です。

「ダービーを見据えていろいろ試すと実戦で取りこぼすこともあるものです。それをキッチリ勝つのだから、たいしたものだと思います」

――これまですべて京都。初中山、初の長距離輸送になります。

「結構ハードル高いですよね。今回がいちばんハードルが高いと思っています。でも、それを乗り越える可能性はじゅうぶんありますよ」

――多頭数については。

「それを意識した調教はしています」

――道悪については？

「経験しているとはいえ、とびが大きくてキレイなので決してプラスにはならないですね」

――追い切りについてはいかがでしょうか？

「反応もよかったですし、動きもシャープ。先週よりさらに良くなっている感じがしました。」

――精神面については？

「牧場スタッフとも連携し、課題に取り組んできました。成長しているな、と思います」

――ディープ産駒、武豊騎手を背に無敗で挑む皐月賞。期待のほどは？

「そうですね。なんとか前に突き進んでいきたいですね」

――抱負を。

「ダービーまで、さらに秋の菊花賞まで無敗で制してくれないかなと思います。ぜひトーセンスターダムの姿を見に来ていただけたらと思います」

(取材・写真：花岡貴子)