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【皐月賞】栗東レポート 〜 トゥザワールド

  • 2014年04月16日(水) 18時08分
 いよいよ皐月賞ウイーク。

 栗東トレーニングセンターは朝5時半の気温が7度。少し寒さを感じながら6時前に調教がスタートした。
 開場と同時に馬場に入ったトゥザワールドはCコース外のウッドチップコースで3頭並んでの調整。最後の直線で最内からグイと抜け出て見せた。

 調教終了後に行われた記者会見での関係者のコメントは以下の通り。

トゥザワールド(川田将雅騎手)

◎2週続けて有力馬でクラシックに挑むことになりましたが、今の心境を聞かせてください。
 先週(桜花賞)は、まずはひとつ無事に結果を得ることができましたし、今週も大事なレースがありますが、とてもありがたく思っています。

◎前回の弥生賞ではハナ差でワンアンドオンリーを退ける形になって4連勝となりました。あのレースを振り返って頂けますか?
 道中に僕が馬にだいぶ無駄なことをさせてしまって苦しい競馬になりましたけれど、2着馬も僕が想像していた以上に強かったですし、それをしっかりそれを凌ぎきって勝ってくれたので得るものの多いレースでしたし、凄くいい内容で走ってくれたと思います。

◎「得るもの」の中には初の中山コース、長距離輸送という経験もあったかと思いますが、そのあたりはどうだったでしょう?
 全く問題なく初の中山も長距離輸送もこなしてくれたと思います。

◎これまでペースも頭数もいろんなパターンに対応してきてますが、これまでの戦いぶりについてはいかがでしょうか?
 一戦ごとにいろんな競馬を経験しながら、違う内容で勝ち上がってきてますので、本当にいろんな競馬に対応できるなと。本当に上手に走ってくれているので、いい内容で本番まで来ていると思います。

◎もともと完成度の高い馬だと言われていますが、その中で成長は感じてらっしゃいますか?
 新馬戦は初めてだったのでよくわからない感じで走っていましたが、未勝利戦からは非常にいい内容で走ってくれていますし、そんな中で1戦ごとに違った内容の競馬をさせながら上手に結果を出してきていますから、急激に成長したという感じはないですが、持っている力の出し方を求めた時に上手に出してくれるなという印象です。

◎先週の調教は「少し疲れが出ているのかと感じて、意識して(あまり強く)やりませんでした」というコメントでしたが?
 弥生賞がきつい競馬になったので疲れも出ているでしょうし、間隔を詰めて使うのもあまり経験していないのでなおさら疲れの心配をしてあまりやり過ぎないように。動ける状態ではあったのでやり過ぎないようにだけ気をつけました。

◎今朝の調整は3頭併せ。後ろから2頭を追走する形になりましたね?
 今日の雰囲気もとてもよかったですし、今日もこちらの求めた分だけしっかり動いてくれましたし、今日乗ってみて改めて賢い子だなと思いました。

◎先週感じた疲労度はどうでしたか?
 先週より今週の方が断然疲れは取れている印象でしたし、先週と比べてだいぶいい状態になってきていると思いました。

◎デビューから手綱を取ってきている馬で、この馬に対する思いは強いのではありませんか?
 これだけの血統馬をデビューした時から任せていただいて、無事に皐月賞にたどり着けましたし、そういう経験をさせて頂いていることが大変ありがたいことですし、これだけの馬に乗せて頂いているので、今回がGIの本番ですから、いい結果を得られるように頑張りたいなと思っています。

皐月賞への抱負をお願いします。
 連勝しながらこの舞台にたどり着けました。今年は有力馬も多いですし、お客さんにとってもとても楽しい皐月賞になると思います。その中でトゥザワールドが一番いい結果を得られるように。そんなレースができたらいいなと思いますので、応援してもらえたらと思います。


トゥザワールド(池江泰寿調教師)

◎有力馬2頭で迎える今年の皐月賞。今のお気持ちはいかがですか?
 幸せな気持ちとせつない気持ちと半々です。皐月賞に駒を進められなかった馬も沢山いますのでその馬たちの分も2頭で頑張りたいです。

トゥザワールドはここまで5戦4勝、4連勝。弥生賞皐月賞と同じ舞台で(接戦でしたが)最後は勝ちました。これについては?
 正直、差されて2着かと思ったんですが、よく凌いでくれて。今まで勝った時は突き放すような競馬が多かったので接戦になった時はどうなのかという懸念もありましたので、接戦を制したということは、勝負根性もあることを確認できましたのでね。やや強引な競馬にはなりましたが、そういった面も見られてよかったのかなと思います。

◎初めての中山コース、長距離輸送もクリアしましたが。
 もともと精神的にはしっかりしたタイプなのでこなしてくれるとは思っていましたが、実際に経験して問題なかったので、本当に課題をひとつひとつクリアして不安の少ない状態でクラシックを迎えられると思います。

◎レース当日はあまり天気が良くないという予報も出ていますが、その点はいかがでしょうか?
 ある程度(重い馬場も)こなしてくれると思います。

◎前回が皐月賞と同じ舞台で、その条件(コース適性)はクリアしていると思いますが、今の中山競馬場の荒れた馬場も前回こなしてくれて問題ないということでしょうか?
(先々週から)Bコースに替わってからはだいぶ良くはなってますので。時計も速くなりましたし、馬場に関しては他の馬も同じ条件ですから、あまり不安な要素ではないですね。

◎先週の調整は「若干疲れが残っているかもしれなかったのであまりやりませんでした」と川田騎手のコメントもありましたが、いかがでしたか?
 全然疲れはないですよ。川田騎手がその前の競馬が厳しい競馬だったのでちょっと気にしていたと思うんですよね。それで加減したと思うんですが、そんなことはなくて、スタッフがキッチリとケアしていますから。今週もう一度やれるんで、それであんな形の調教になったと思うんですよ。

◎今週の調教は3頭併せ。2頭を追走する形で最後は内から鋭く伸びましたが、どんな手応え、どんな指示だったんでしょうか?
 3頭併せで最後方から進んで4コーナーを回って直線で内に入れて、ラスト1ハロンは一杯ではなく強めに伸ばすように、と言っていたのですが、動きもタイムも言うことないですし、折り合いについてもしっかりついて、GOサインを出せばしっかり動けるというか緩急自在で中山向きだなと思いますね。

◎お母さんのトゥザヴィクトリーも調教助手時代に携わられて特別な想いもあるのかと思いますが?
 桜花賞は滑り込みセーフで、オークスは勝ったかと思った瞬間にウメノファイバーに外から差されてハナ差2着でしたので、ちょっとお母さんはクラシックに縁がなかったのでね。ぜひ息子でリベンジしたいなという気持ちはあります。

◎多くのファンに向けて皐月賞への抱負をお願いします。
 お母さんを応援して頂いたファンが引き続き息子のトゥザワールドを応援して下さっているんですが、お母さんはあと一歩でクラシックを勝てなかったので息子でクラシック第1弾を気持ち良く勝ちたいと思っていますので応援をお願いします。

(取材:佐藤泉)

提供:ラジオNIKKEI

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