関東の大将格
イスラボニータが、美浦Wの最終追い切りで抜群の動きを披露。栗田博師は「先週の段階で息はできているし、きょうもいい調教ができた。動きそのものは文句なし」と万全の態勢を強調した。
これが重賞2勝馬の脚さばきだ。僚馬
シベリアンタイガー(3歳500万下)の6馬身ほど後方でスムーズに折り合い、馬任せで徐々に差を詰める。見せ場はそこからだ。4角で内に潜り込むと、
ゴーサインを待っていたかのように鋭く反応。食い下がる相手を矢のような伸びで抜き去り、5F66秒3-36秒7-11秒7を記録した。
その姿に、双眼鏡とストップウオッチを手にしていた指揮官の表情が思わず緩む。「力んでいないし、本当に気持ち良さそうに走っていた。あの反応なら十分。見た目以上に体に幅も出たし、たくましいよね」。前走後に3週間の放牧を挟んで帰厩。仕上げには寸分の狂いもないようだ。厩舎としては98年
高松宮記念(
シンコウフォレスト)以来遠ざかっているGI制覇。そして何より悲願のクラシックへ期待は大きい。
デビューからコンビを組む蛯名も手応えは十分だ。「前脚を真っすぐに伸ばしても
バランスのいい走りができる。今までに乗ったことのない、独特のフットワークの馬。ここで上手に走れて、結果を出せたら最高。課題はあるが、少しずつ大人にもなっているし楽しみ」。関東の雄から、いざ“全国区”へ。
イスラボニータが待ちに待った大舞台に立つ。
提供:デイリースポーツ