遅めのラップにも、行きたがるそぶりは全く見せない。4連勝中の
トゥザワールドは金曜朝、スムーズな折り合いを見せて栗東坂路を4F65秒9-15秒8のタイムで駆け上がった。池江師が「威風堂々」と評し、中沢助手も「栗東でトップクラスの落ち着きがある」と話すほどどっしりと構える姿は、早くも王者の貫禄を漂わせる。
500キロを超える大型馬ながら、その動きには重苦しさが皆無。「器用で、完歩が小さいからスッと反応できる」と中沢助手は操縦性の高さを強調する。それだけにト
リッキーな中山にも、前走の
弥生賞が示す通り適性は十分。だがトップトレーナーは、秘める能力の全てを大一番で引き出そうと、努力と工夫を惜しまない。中間からソフトな当たりの
トライアビットにハミを変更。これにより口向きが良くなっている。
自在性に磨きがかかっている今、8枠(17)番の枠も展開も不問。例年になく荒れている中山の馬場にも「レコードで(3走前の
黄菊賞を)勝っているが、決してパンパンの良馬場(でこそ)というタイプではない。雨さえ降らなければ(大丈夫)」と川田は泰然自若だ。日曜日、千葉県船橋市の天気予報は曇りで、雨は降っても決戦翌日からの見込み。天運も味方につけて、破竹の5連勝でまずは1冠を勝ち獲ってみせる。
提供:デイリースポーツ