今、この時の完敗は認めざるを得ない。外から強襲する
イスラボニータを、その内で迎え撃った1番人気の
トゥザワールド。坂上ではいったん先頭に立ったが、そこからの追い比べは1馬身1/4差で屈した。好位から運ぶ正攻法で、前半5F通過も60秒2とほぼ平均ペース。スムーズな展開で今回の着差は“
タラレバ”の余地を挟むことを許さない。
池江師はサバサバとレースを振り返った。「勝ち馬が一枚上だった。こっちが伸びようとするところを、向こうがもっとグンと伸びた。向正面ではインに押し込めてやったと思ったが、4角で外に出したのはさすが。蛯名騎手の“技あり”ですよ」と勝者の力と技に脱帽。
桜花賞(
ハープスター)に続くクラシック連勝がならなかった川田も「勝ちに行っていい脚を使っているが、勝ち馬をたたえるしかない」と悔しさを表には出さなかった。
しかし、距離が400m延びるダービーでは結果がどう出るか。指揮官は「こちらは距離が延びてもいい。2400mで、適性でどこまで追いつけるかだと思う」と前を向く。鞍上も「ダービーに向けてはいい競馬ができました」と同調した。1カ月半後の競馬の祭典ではひと味違う姿を見せる――。5連勝での戴冠は逃したが、雪辱への道は示せたはずだ。
提供:デイリースポーツ