先週末から週明けにかけて雨が降った栗東。当ニュースでもお伝えしていたように、かなり乾燥した日々が続いていただけに、恵みの雨となっている。ただ、ウッドチップに関しては、22日時点で、坂路の逍遥馬道を歩いた際に、かなり重みを感じたので、しっかりと水分を含んでいる印象を受けた。
気温に関しては、相変わらず、調教開始時刻が肌寒く、後半の時間帯になると、上着を脱ぎたくなる暑さ。寒暖の差が大きい状況が続いている。
【坂路/4F51.9秒】
23日。一番時計は
エイシンテキサス(栗東・松元茂樹厩舎)の4F50.7秒。もともと時計の出るタイプではあるが、ラスト1Fが13.2秒要したあたり、簡単に時計が出る馬場というわけでもなさそう。実際、同日に50秒台をマークしたのは、この馬だけ。51秒台もさほど多かったわけではなく、先週に比べれば、時計は出にくい。
24日。
マイラーズC(4月27日・京都芝1600m)に向けた最終追い切りを行った
レッドアリオン(栗東・橋口弘次郎厩舎)。追い切り場所のスタート地点まで移動するのに、少々嫌がる素振りを見せていたが、スタートすると従順。前半から勢いよく駆け上がり、ゴール手前はほぼ一杯。ステッキが入るとヨレるようなシーンもあったが、4F51.3〜3F37.7〜2F25.4〜1F13.0秒はかなり速い。
先週の馬場差は「-0.2秒」。少ない雨量とはいえ、全体的な時計の出方を見ると、やはり少し時計を要している印象なので、23日、24日とも『+0.1秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
坂路ほどではないにせよ、先週よりは時計の掛かる印象。それを考慮すると、先日のトレセンニュースでお伝えした
ゴールドシップ(栗東・
須貝尚介厩舎)の6F時計は破格中の破格。速いペースなら、どこまでも走れそうな雰囲気は、スタミナ比べのレースになれば、他馬を寄せ付けない強さを見せるのではないだろうか。
その
ゴールドシップと同じ、天皇賞春(5月4日・京都芝3200m)の1週前追い切りを24日に行ったのが、
アドマイヤラクティ(栗東・
梅田智之厩舎)。24日に同コースで単走追い切り。先週とは一変して、前半から速いラップを刻んで、6F81.3〜5F65.5〜4F51.1〜3F37.4〜1F11.9秒。数字は評価できるが、先週同様、ゴール前の伸びがひと息という印象が拭えないだけに、最終追い切りでどのような動きを見せてくれるか、注目してみたい。
先週の馬場差は「-1.0秒」。全体的な時計の出方を見せて、少し時計が掛かる印象なので、23日、24日とも『-0.8秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
最近は好天が続いていることもあり、芝馬場を追い切りに利用する厩舎はほとんどいない。一応、馬場差は23日、24日とも『+0.0秒』としている。
雨が降ったことで、ポリトラック馬場は適度な湿り気で走りやすい状態。馬なりでもラスト1F11秒台前半が連発。この馬場で一杯に追われて時計が出ないようでは、かなり動けない状態か、スピード能力が足りないと判断してもよい。なお、馬場差に関しては、先週と同様の『-1.0秒』で、23日、24日とも観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)