栗東の5月5日は、ほぼ日中が雨。時間帯によっては、強く降ることもあったため、降水量としては、それなりに多かったと思われる。ただし、6日から7日にかけて、十分な日照時間と適度な風がウッドチップを乾かした。それにより、7日の追い切りには、さほど影響がなかったと考えている。
ただし、坂路馬場に関しては、やや特殊な状況になっていると思われるので、その点に関しては、項目の中で触れている。また、気温に関しては、5月に入ったとはいえ、調教開始時刻は肌寒い日が続いている。
【坂路/4F51.9秒】
7日。一番時計は、
NHKマイルC(5月11日・東京芝1600m)に出走予定の
ミッキーアイル(栗東・
音無秀孝厩舎)が4F50.6秒。もともと速い時計を出せる馬ではあるが、基準時計よりも1秒以上速い数字が、この馬場でのトップクラスのスピードであることは言うまでもない。これと同じ数字をマークしたのが、
アサカファルコン(栗東・池添兼雄厩舎)。3歳未勝利にして、この時計を出せるのは、間違いなく能力がある証拠なので、いつか必ず未勝利を勝ち上がると期待している。
冒頭に記した馬場のことだが、朝一番は乾いたウッドチップで時計が出やすかったものの、馬場が掘り返されていくうちに、水分をたっぷり含んだチップが表面に出て、それ以降はやや時計が出にくい状態になってのではないかと推測している。
8日。掘り返されたウッドチップも適度に乾いて、終日走りやすい状態。そんな中でも目立った動きは、
ヴィクトリアM(5月18日・東京芝1600m)に向けた1週前追い切りを行った
ローブティサージュ(栗東・
須貝尚介厩舎)。阪神JFを制した2歳女王だが、その後は凡走が続き、前走
阪神牝馬S3着で復調の兆し。
画像は6日の乗り運動時の様子を撮影したものだが、馬体の良さが目立っており「本当に良くなってきた」と
須貝尚介調教師も目を細めていた。それを示すかのような、4F52.6〜3F38.4〜2F24.8〜1F12.2秒と、終いがしっかりする動きを見せていた。
先週の馬場差は「+1.4秒」。先週よりも回復していることは間違いない。しかし、全体的な時計の出方を見ると、少し時計の掛かる馬場差をつけることが適当と判断したので、馬場差は7日、8日とも『+0.5秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
前日のトレセンニュースで、
ストレイトガール(栗東・
藤原英昭厩舎)が、6F78.1秒をマークしたとお伝えしたが、他にも6F80秒切りは続出。テンを少し控えめにいけば、ラスト1Fが11秒台という馬も少なくなく、非常に走りやすい状態になっていた。
新潟大賞典(5月11日・新潟芝2000m)の出走を予定している
マジェスティハーツ(栗東・松永昌博厩舎)も、動きの良さが目立った1頭。
マルカファインを追走する併せ馬だったが、楽に外から交わして、最後は先着。低迷する時期もあったが、暖かくなってきたことも手伝ってか、動きに安定味が出てきた。
先週の馬場差は「-0.8秒」。今週は全体的な時計を見渡しても、速い時計が多いので、7日、8日とも『-1.3秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は芝馬場を追い切りに利用する厩舎はほとんどなかったが、2歳新馬の試走として、芝馬場を利用する厩舎はあった。馬場差は7日、8日とも『+0.0秒』としている。
ポリトラック馬場は全体の時計を見ると、やや時計が掛かっている印象も受けるが、それでも基準時計よりは速い。よって馬場差は、先週と同様の『-1.0秒』で、7日、8日とも観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)