世界ランキング1位の底力を見せつけた。春のマイル王決定戦「第64回
安田記念・GI」(芝1600m)は8日、東京11Rに17頭で争われ、圧倒的1番人気に支持された
ジャスタウェイ(栗東・須貝)がGI3勝目を凱旋Vで飾った。2番人気の
ミッキーアイル(16着)が軽快に逃げるなか、道中は中団の馬群でじっくりと追走。横一線となった最後の直線。16番人気の
グランプリボス(2着)が先に抜け出したが、内から猛追すると、最後は馬体を合わせてゴール。執念で鼻差先着を果たした。不良馬場の勝ちタイムは1分36秒8。さらに3馬身差の3着には後方からインをついた10番人気の
ショウナンマイティが入った。
最後は意地のぶつかり合いだった。世界NO.1ホースのプライドを見せつける約9センチ差のV。破竹の4連勝で、国内復帰初戦をモノにした。「直線では何度も(道悪に)脚を取られていたが、最後まで諦めなかった。すごいね。やっぱり世界一の馬」。柴田善は改めて強じんな脚力と精神力を絶賛した。「外に出せていたらもっと楽だったと思う。でも、ああいう競馬ができるのは偉いね」。福永の騎乗停止に伴う代打を見事に務め上げた大ベテランは目尻を下げた。
ドバイで見せた豪脚再び…とはならなかったが、須貝師は1番人気に応えるVにホッとした表情だ。柴田善とは
JRA競馬学校騎手課程の第1期生同士。「“同期でGIを獲れたらいいね”と話していた。
ヨシトミ君と
ジャスタウェイを信頼していた」と満足げに振り返った。
注目は今後の動向だ。「いつもより息の入りが悪かったので、馬の様子を見てから」と慎重な姿勢ながら、次走は
宝塚記念(29日・阪神、芝2200m)を予定。登録済みの
凱旋門賞(10月5日・ロンシャン、芝2400m)については「宝塚に無事に行けるかどうかが物差しになる。行くとしたら(前哨戦は使わず)ぶっつけになるでしょう」と言及した。いかなる針路を取るのか、世界中がその動向を注目しているに違いない。
提供:デイリースポーツ