今週は11日夜に雨が降った程度だが、日照時間が短く、先週降った雨が乾かないままに追い切りが行われた印象。ちなみに11日夜の雨は、少し地面を湿らせる程度だったので、ウッドチップ馬場には大した影響はない。ただ、ダート馬場には適度な締まりが出るので、ゲート試験のラップなどは速くなっている。
【坂路/4F51.9秒】
11日。一番時計は4F50.7秒の
レオンビスティー(栗東・
矢作芳人厩舎)。これは本馬が2012年4月25日にマークした4F51.5秒を大きく更新する自己ベスト。2F目に12.5秒を刻みながら、ラスト1Fが減速していないあたり、走りやすい馬場だったことを想像できる。
よって、2F25秒を切ってくる馬も多数いたが、4F51.1秒で2F24.3〜1F12.1秒だった
ロードガルーダ(栗東・
池江泰寿厩舎)は馬場を考慮しても素晴らしい時計。4F時計は自己ベストを更新しており、予定されている多摩川Sは実績のない距離だが、一定の評価は必要だろう。なお、12日の馬場状態も11日と大きく変わっていない。
全体的な時計の出方を見ていると先々週に似ている印象。よって馬場差は先々週の数字を参考にして『+0.2秒』で、11日、12日ともに観測している。
【CW/5F66.5秒】
先週5日は最近にしては珍しく、馬場差を「±0.0秒」としていたが、その馬場状態から回復していない感じ。先々週までは風の強い日も多かったが、今週は無風状態も多く、そういった環境から、ウッドチップが乾いていないのだろう。
時計の出方を見ていると、見習い騎手や減量の付いた若手騎手が跨った馬は軒並み速い時計が出ている。今週は追い切りの時間帯で馬場がうんぬんというよりも、乗り手によって、時計の評価をするべき。多摩川Sの出走を予定している
メイケイペガスター(栗東・
木原一良厩舎)は、全体時計が遅めだったとはいえ、ラスト1F11.8秒の鋭い伸び。降級戦だけに力断然は当たり前だが、状態に関しても非常に良い。
今週の馬場差だが、全体的に時計が出ておらず、11日、12日とも『+0.5秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
芝馬場は11日、12日とも、新馬を中心に追い切りで利用されていた。馬場状態も良好で、時計の出方は標準的。よって馬場差は両日とも『+0.0秒』としている。
ポリトラック馬場で
帝王賞(6月25日・大井ダート2000m)に向けた追い切りを行ったのが、
ニホンピロアワーズ(栗東・
大橋勇樹厩舎)。
酒井学騎手が跨って、単走だったが、前半ゆったり、後半しっかりと追い切り。ゴール前は肩ムチが入って、時計は6F79.9〜5F65.1〜4F50.5〜3F36.8〜1F10.8秒。前夜の雨で走りやすい馬場だったとはいえ、この馬らしいラストの伸びを見せていた。なお馬場差は、先週と変わりなく、11日、12日とも『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)