先週末は雨が降ったものの、今週は3日午前中の時点まで雨は降っていない。よって、ウッドチップ馬場は散水されるような状態。
7月に入り、暑さが気になる季節だが、今週から調教開始時刻が5時になった。そのため、調教開始直後は比較的涼しい。また、2日こそ、かなり日差しの強い時間帯もあったが、3日は曇り空で蒸し暑い感じ。とはいっても、バテるようなものではなく、馬にとっては、比較的過ごしやすい気候になっている。
【坂路/4F51.9秒】
2日。一番時計は4F49.1秒の
レオンビスティー(栗東・
矢作芳人厩舎)で、4F50秒切りが一番時計を含めて3頭。時計の出る速い馬場、と表現したいところだが、その3頭はすべて、ス
プリント重賞、
CBC賞に出走を予定している馬。全体的な時計を見ると、どんな馬でも速い時計が出ているというわけではなく、この時期になって調子を上げている馬が速い時計を出している印象。よって、極端に速い馬場差をつけてはいけないと判断した。
CBC賞に出走を予定している馬は、軒並み速い時計をマークしたが、終い重点の追い切りを行ったのは、3歳牝馬の
リアルヴィーナス(栗東・
安達昭夫厩舎)。とにかく前半は手綱を抑えて、行きたがる馬をなだめる形。それでラスト1F標識手前まで我慢し、最後に手綱を放すと、馬が一気の伸び。頭の高い走法だったが、1F12.0秒をマークしており、体調の良さをアピールした。
先週に続き、今週も馬場差の判断が難しい。先週は「-0.1秒」としたが、今週は更に速い時計が目立っている。よって馬場差は『-0.2秒』で、2日、3日ともに記録している。
【CW/5F66.5秒】
雨が降って、重くなるウッドチップは馬場差を記録する際にも判断しやすいが、今の状況で、時計が掛かっている理由が釈然としない。理由は分からないにせよ、とにかく時計が出ない状況は先週と変わっていない。
また、速い時計をマークしている馬は4コーナーから直線の分どころが内。外を回ると、どうしても時計が遅くなる傾向がある。そんな馬場状態でも速い時計がマークできた
ローレルグランツ(栗東・松永昌博厩舎)。デビューから4戦して、掲示板に載ったこともなく、
タイムオーバーまで経験したことがある馬だが、今回はレースぶりが変わってくるかも知れない。
今週の馬場差も全体的に速い時計は出ていない。ただ、先週の「+0.3秒」よりは走りやすい状態だと思われるので、2日、3日とも『+0.1秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場も追い切りに利用した馬はほとんどいない。馬場状態に関しては、良好で馬場差は2日、3日とも『+0.0秒』としている。
ポリトラック馬場は追い切り頭数こそ増えていないが、軽快な動きを見せる馬が多い。特に注目したのは
ベイシス(栗東・中村均厩舎)。前半、飛ばし気味にラップを刻んだので、さすがに止まるだろうと思っていると、コーナーで息を入れて、直線でひと伸び。6F75.8〜1F11.3秒。この数字で走ることができるのであれば、未勝利で終わることはありえない。なお馬場差は、2日、3日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)