北の大地で“夏女”が躍動した。
巴賞Vで勢いづいた
アロマティコが、函館Wでダイナ
ミックな動きを披露した。
掛かることなく、4角までスムーズに運ぶと、スタンドで見守る佐々木師から「よしよし、これはしまい伸びるな」と声が漏れる。その言葉通り、重心を沈めて一気に末脚全開だ。癖である舌は出していたが、5F67秒9-38秒4-12秒6の好時計でまとめた。
騎乗した三浦も納得の表情だ。「折り合い重視で乗りましたが、単走でこれだけ動ければ十分でしょう。前回(
巴賞)の追い切りより、コンタクトが取れたし、なじんでいる感じがあります」と手応えを口にした。
自身もこの夏は、函館開催のリーディングを奪取するなど、存在感を示している。「関係者のおかげですが、すばらしい先輩方がいる中で(リーディングを)取れたというのは自信になりました。これからも(三浦を)乗せて良かったと思われるレースをしたい」と意欲的に語る。
今回の札幌参戦で、
JRA全10場走破となる
アロマティコは、これまで7、8月では3戦3勝の実績を残している。今回は休み明けをひと叩きされた上積みもあるだけに、「秋はGIへ行く馬だし、
ステップレースで結果を出していい形で行きたい」と、早くも三浦は大舞台を見据える。
「
秋華賞や
エリザベス女王杯で3着がある馬だし、どこかで(重賞を)勝たせたいと思っていた。今回決めたいね」と佐々木師。不思議と重賞には縁がない(10戦未勝利)が、地力は確かだ。秋に弾みをつけるためにも、まずは“北都の女王”の座を手にしたい。
提供:デイリースポーツ