札幌芝で5F全体の時計は69秒6(3F37秒7)。一見軽めの最終追い切りながら、激しい気性を持つ4歳牝馬には絶妙のさじ加減だった。
レッドオーヴァルに騎乗した安田翔助手はビッシリとは追わず、そうかといって緩め過ぎることもなく、素軽い脚さばきを引き出すことに成功。1F11秒4の好フィニッシュを決めた。
大切にしたのは、馬自身の気分を損ねないことだ。「怒らせないように、気分良く(走らせた)。攻め馬でアクションを起こして仕上げるとマイナスになりそうでしたからね。芝に入れたことでレースだと気付いてもらえたら」と仕上げ人はうなずく。追い切り直前に
キーンランドCの発走地点の待機所へ馬を促した際、カラスが群れをなしていたことにも動じなかったという。「カッとする(タイプ)だけに、どう馬場に入るかを悩んでいたんですけどね」とホッと胸をなで下ろした。
準オープンへの降級2戦目となった前走の
札幌日刊スポーツ杯を1馬身半差で完勝。滞在競馬がプラスに働いたという。「馬の
リラックスの度合いという点では、栗東にいる時の方が上。でも輸送がないのでレース当日の緊張度が違います」。引き続き滞在競馬の今回もアドバンテージは得られるはずだ。昨年の
桜花賞2着馬で、秘める素質はもともと上位。好走の鍵となる精神面も充実しているとなれば、重賞初Vへ期待は膨らむばかりだ。
提供:デイリースポーツ