主役の座は譲らない。
菊花賞での2冠奪取、さらには来年の英国遠征を視線の先に見据え、第81代ダービー馬
ワンアンドオンリーが秋の始動戦を迎える。「ぶざまな競馬はできない。ダービー馬の実力というものを見せないとね」と橋口師は意欲を口にする。
仕上がりに抜かりはない。8月21日の栗東帰厩から1カ月、じっくりと調教メニューを消化してきた。「いい意味で変化はない。ダービーのころと同じような体つきをしている。GIゼッケンをつけているせいか、貫禄は感じるけどね」と指揮官は愛馬の頼もしい姿に目尻を下げる。
1週前には美浦から横山典が駆けつけて背中の感触を確かめた。栗東坂路で
ダノンマックイン(6歳1000万下)と併せ、4F52秒5-38秒9-13秒3。力強くチップを蹴散らして、パートナーに半馬身先着を果たした。「順調だね。しっかりと負荷を掛けられたし、ここまで(陣営の)思惑通りにやれていると思う」と名手は納得の笑みをこぼした。
先週の
セントライト記念では
皐月賞馬で、ダービー2着の
イスラボニータが好発進を決めた。こちらも前哨戦できっちりと期待に応え、最高の形で
菊花賞へと向かいたい。「現時点では何の心配もない。本番が楽しみになる競馬をしてほしい」とトレーナー。現3歳世代7123頭の頂点に立った力を、余すところなく見せつけ、さらなる頂に向かって突き進む。
提供:デイリースポーツ