朝一番の栗東坂路。池江師から「単走でさらっと」と指示を受けた浜中が、
サトノアラジンをゆったりと馬場へと促した。最初の1Fを15秒4で入ると、馬場のやや内めをリズミカルに登坂。きれいな後傾ラップを刻み、馬なりの手応えで4F53秒8-38秒4-12秒2をマークした。
ラスト1Fでは手前をスムーズに変え、自らハミを取ってギアを一段アップ。2週連続で騎乗した浜中は「先週も(栗東CWで)速い追い切りをやっているし、けさもストレスなく上がってくれた。いいと思う」と出来に太鼓判。だが、描いていたイメージとは少し違っていたようで「坂路よりも、コースの方がいい動きをするのは間違いない」と断言。実力発揮の場は、伸び伸びと走れるコースなのだろう。
「動きは良かったですね」とうなずいた指揮官は、復帰後2連勝の内容を「クラスが上がった分、競馬がしやすかった。流れが向くようになった」と振り返る。現状については「春よりはましになっているけど、き甲も抜けていないし、まだまだ」と“成長途上”を強調する。だが、その厳しい評価こそが、同馬の奥深さを感じさせる。
指揮官は「スローの中できっちりと折り合えるかが課題。次は3000なのでね」と先を見据えれば、浜中も「折り合えれば2400もこなせると思う。春の実績馬を相手に、スムーズな競馬でどれだけやれるか」と期待感を口にする。今夏に着々と地力をつけた大器が、課題をクリアし、菊の勢力図を変えてみせる。
提供:デイリースポーツ