午前9時前に行われたダービー馬
ワンアンドオンリーの最終追い切り。栗東坂路には同馬の関係者だけではなく、報道陣、他陣営など、数多くの視線が注がれた。
小牧(レースは横山典)を背に、2週続けて
ダノンマックイン(6歳1000万下)と併せ馬。先行する僚馬を射程圏に入れ、残り1F手前でスパート。手綱をしごかれ、左の肩ムチが入るなどハードな内容。全身を使って躍動し、4F53秒8-39秒8-13秒2をマークした。
併走馬に半馬身遅れたが、橋口師は意に介さない。「ダービーの時もラスト1Fは13秒台(13秒3)。全体が55秒台でラストも13秒台後半とかなら、心配もするけどね」と淡々と語る。「この馬はそこまで追い切りで動く馬じゃない。これで十分」と力強く言い切った。
手綱を取った小牧も、ダービー馬の資質の高さを肌で感じた様子。「心と腕がシビれたよ」と、思わず笑みを浮かべる。「ハミがかりがいいし、
バランスがいい背中だね」と賛辞を惜しまない。
春は在厩しての調整。放牧を挟んでの実戦は今年初となる。ただ、仕上げに不安は皆無だ。担当の甲斐助手は「春と比較すると体に丸みを帯びてきました。春より食欲がすごい。追い切り後もカイ食いの心配がない。もう十分に力を出せる仕上がりですよ」と前を向く。
菊花賞に向けた大事な秋初戦。師は「ダービーの時の出来にある。いい体調で出られるのは間違いない」と自信を見せた。V発進を決めて2冠制覇に王手をかける。
提供:デイリースポーツ