馬券の払戻金を一切申告せず、大阪国税局から約8億1000万円の課税処分を受けた元会社員の男性(41)が、処分の取り消しを国に求めた民事訴訟の判決が、2日、大阪地裁で開かれ、
田中健治裁判長は外れ馬券を「経費」と認定し、処分の一部を取り消した。
男性が所得税法違反の罪に問われていた刑事裁判の一・二審では、男性が得た払戻金は先物取引や外国為替証拠金取引(FX)などと同じ「雑所得」と判断され、馬券の購入費全額が経費にあたると認定された(判決は男性に対し懲役2カ月・執行猶予2年)が、今回の民事裁判でも同様の判断が示されたこととなる。
男性は2005〜09年の間に
JRAのインターネット投票を利用して約35億1000万円を投じ、約36億6千万円の払戻金を得たことを一切申告しなかった。大阪国税局は、払戻金は所得税法上の「一時所得」にあたる(※)とし、当たり馬券の購入費約1億8000万円を引いた約34億8000万円の所得に対して所得税約6億8000万円と無申告加算税約1億3000万円を課税した。これに対し、男性は馬券の購入費全額を経費とするよう主張していた。
※一時所得の必要経費は「収入を生じた行為のために直接要した金額」と規定されている。つまりこの場合当たり馬券の購入費のみが必要経費となる。