今週の栗東は7日が従業員レクレーションの関係で全休日。よって、通常の全休日である月曜日、6日が調教日となった。ただし、いちょうS、毎日王冠に特別登録した馬には7日の全休日も坂路馬場が開放された。

　気候に関しては、8日からジャンバーを羽織らないと、寒いくらい。8日の朝一番の温度計は11℃。陽が昇ると、さすがに暖かくなってくるが、風は冷たく、いよいよ冬場が動けない馬には辛い季節。逆に夏に弱い馬は元気が出てくる季節となるだろう。

【坂路/4F51.9秒】
　8日。全休日明けとあって、追い切り頭数は非常に少ない。一番時計はデウスウルト(栗東・平田修厩舎)の4F50.9秒。50秒台はこの1頭で、51秒台が4頭。追い切り頭数を考えると、走りやすい馬場だからこそ、5頭が4F52秒以下の時計をマークしたと考えたい。

　9日。一番時計はチョイワルグランパ(栗東・森秀行厩舎)の4F50.3秒。これを筆頭に、50秒台は5頭。4F51秒台は16頭と先週に比べると少なめではあるが、このあたりは台風による雨の影響が多少は残ったのかも知れない。

　先週の馬場差が「-0.3秒」。同じ馬場差をつけてもよいところだが、全体的な時計な出方を見ると、多少は雨の影響が残っており、今週は8日、9日とも『-0.2秒』の馬場差で記録している。

【CW/5F66.5秒】
　8日はトレセンニュースでもお伝えした、いちょうSに出走予定のサトノフラム(栗東・安田隆行厩舎)など、11日のレース出走予定馬の追い切りが多く行われた。とはいっても、全休日明けということで、基本的には追い切り頭数は少ない。

　9日。追い切りが集中して、特にハロー(整地)掛けが終わった時間帯には馬が混雑していた。ここで取り上げたいのは、秋華賞(10月19日・京都芝2000m)の1週前追い切りを行ったサングレアル(栗東・松田博資厩舎)。単走で追い切り時計は6F88.6〜5F73.2〜4F58.2〜3F43.2〜1F13.5秒と遅い数字だったことから、馬体重を気にした調整なのかも知れないが、動き自体は前走時より力強く、良化している印象を受けた。

　他に目立ったところでは、四位洋文騎手との呼吸が合っていたメイケイペガスター(栗東・木原一良厩舎)、併せ馬を追走して、内から鋭く抜け出したタガノグランパ(栗東・松田博資厩舎)。そして、2歳新馬としては破格の6F79.6秒をマークしたヘイムダル(栗東・宮徹厩舎)といったあたり。

　先週の馬場差は「-0.5秒」。今週も基準時計よりは走りやすい馬場状態という印象があるので、8日、9日とも『-0.4秒』で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場は8日、9日とも追い切りを確認できなかった。よって、馬場差は8日、9日とも『±0.0秒』で記録している。

　ポリトラック馬場は通常通り、時計の出やすい馬場。毎日王冠に出走予定のサンレイレーザー(栗東・高橋義忠厩舎)の6F75.7秒が図抜けて速い時計ではあるが、ラスト1F11.5秒の伸びを見せたドコフクカゼ(栗東・友道康夫厩舎)など、終い重点なら、どこまでも伸びていきそうなスピードを見せる馬が多かった。8日、9日とも『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真：井内利彰)