1勝馬と侮るなかれ-。今年の5月11日にデビューして、9月6日に初勝利を挙げたばかりの
タガノエトワールが、
トライアルの
ローズSでは15番人気の低評価に猛反発して2着に激走。未知の魅力が逆転女王への可能性を感じさせる。「返し馬からいいなと思っていたんだ。権利を獲れればとは思っていたが、まさかあそこまで来るとは」と、引き続き騎乗する小牧は興奮気味に前走を振り返る。
前半は無理をせずに後方のインを追走し、勝った
ヌーヴォレコルトの後を追うように鋭く末脚を伸ばした。上がり3Fは、その
オークス馬を0秒3上回る33秒3とメンバー最速を記録。重賞初挑戦の身で、フロックのひと言では片付けられない数字をたたき出した。
「春は爪が良くなかったし、ゲートも悪かった。もともと能力はあると思っていた」と話すのは松田博師。状態についても「レース後のカイ食いは戻っているし、状態は変わりない」と好調キープをアピールした。キャリアが4戦と浅い分、伸びしろもあるはずだ。
もし勝てば、さまざまな記録を塗り替えることになる。1勝馬による
秋華賞制覇なら史上初で、デビュー162日目での勝利なら、00年
ティコティコタックの204日目を抜いてレース史上スピードVだ。「しまいは確実だし、前走と同じ競馬ができればいいところがあるかも」とトレーナーは期待を込める。夏ならぬ秋の上がり馬が下克上を演出する。
提供:デイリースポーツ