ラ
イバル不在のここでは負けられない。秋初戦の
セントライト記念Vで好スタートを決めた
皐月賞馬
イスラボニータが、
天皇賞・秋へ矛先を向けた。断然の主役へと躍り出ることになったのがダービー馬
ワンアンドオンリーだ。
神戸新聞杯を制して、盤石の態勢でラスト1冠に挑戦。栗東坂路の1週前追い切りも、全身を大きく使ったフォームで4F52秒5-13秒4(一杯)をマークし、ひと叩きされた効果は絶大だ。
「(
イスラボニータは)出てきたら、当然一番気になる存在だったからね。戦いたかった?いや、そりゃ出てこない方が良かったよ」。冗談交じりに笑みを浮かべる橋口師だが、「これで1番人気だろうし、ダービー馬だから、負けたらあかん」と表情を引き締めた。
前走は不安もあった。直前の装鞍所で暴れて、蹄鉄がずれるアク
シデント。何とか打ち直すことに成功したが、「正直言って心配だった」と指揮官は顔を曇らせている。競馬そのものも、ゴール前で外から2頭に強襲される苦しい態勢。それでも差し返して、勝ち切った。その姿に「すごい勝負根性」とあらためて底力を再確認した。
何が起こるか分からないのが競馬。実際、
秋華賞では単勝1.5倍の
ヌーヴォレコルトが2着に敗れたばかり。「先週みたいなこともあるし、野球みたいなこともあるし…」。大ファンの巨人軍がまさかの4連敗を喫したこともあって、少し元気がない橋口師だが「ダービーの状態にはあると思うから、みじめな競馬にはならない」と堂々と受けて立つ。2冠をもぎ獲り、来年は海外へ。夢を膨らませるためにも、落とせない一戦となる。
提供:デイリースポーツ