想像以上の動きに乗っていた酒井が目を見張った。
トーホウジャッカルが最終デモで叩き出したラスト1Fのタイムは11秒9。この日、栗東坂路で追われた馬の中で唯一、11秒台を記録した。
「動きはめちゃくちゃ良かったです。状態は抜群。やっぱり、この馬は走ると思いましたね」。酒井は絶品のアクションに満面の笑み。先週、同坂路で4F51秒7を出しており、全体時計は4F54秒7(3F39秒5)と抑え気味だったが、その分、しまいが切れた。
夏も休みなく使われているが、さらに上昇気配。
ジャッカルには、へこたれない勝負根性が備わっている。3着の
神戸新聞杯でも直線でいったんブレーキをかけるシーンがあったが、ゴール前猛追して3着。「初勝利した時も狭いところを割ってきた。確かに根性があるね」と谷師は目を細める。
「前走は勝っていたレースでしたし、悔しかった。次は見とけよ、と思っていたし、今度は
ギャフンと言わせたい」と酒井は前回のリベンジに燃えている。これが初の
菊花賞騎乗だが、気後れはなく、むしろ闘志満々。今度こそダービー馬を撃破して、淀に菊の大輪を咲かせてみせる。
提供:デイリースポーツ