今週の栗東は調教時間こそ、雨が降ることはなかったが、21日の午後はかなりの雨量があり、22日の追い切りはたっぷりと水分を含んだ馬場となった。また、22日の午後も雨が降っており、23日の追い切りにも影響を与えていると思われる。
23日の調教時間から、強い日差しが出てきているので、週末の天気予報も考慮すると、来週の追い切りでは通常の時計が出やすい馬場になりそう。
【坂路/4F51.9秒】
22日。一番時計は
エイシンラナウェー(栗東・
西園正都厩舎)の4F50.6秒。これはテンから12.5秒でスタートし、2F目に11.9秒を刻んだことが要因。しかし、ラスト1Fは13.7秒も要しており、飛ばせば止まる馬場であることは間違いない。
4F52.1秒と速い全体時計をマークしながら、後半2F24.5秒でまとめたのが、
天皇賞・秋(11月2日・東京芝2000m)の出走を予定している
カレンブラックヒル(栗東・
平田修厩舎)。単走だったが、たまたま前方に目標となる馬がいたこともあり、最後まで気を抜くことなく、力強い走りを見せた。前走後の追い切り本数が尋常ではなく、これだけ乗り込まれているからこその動きだったような気がする。
先週の馬場差が「+0.7秒」。今週は先週よりも時計を要する馬場であることは間違いなく、22日、23日とも『+1.0秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
22日、23日とも、雨の影響を受けた馬場ということが乗り手の頭にインプットされていることもあってか、前半は控えめの時計で走る馬が多く、6Fで速い時計を出している馬は少ない。そんな中でも、22日に馬場の外目を回って、6F80.4秒をマークした
セカンドテーブル(栗東・崎山博樹厩舎)は、体重の軽い義英真騎手が跨っていたとはいえ、余力十分で速い時計をマークした。
ただし、5F時計は速い馬が多く、そのほとんどは馬場の内目を回っている。そういった意味では馬場差の記録方法が非常に難しい。
23日にP.ブドー騎手が跨って、
菊花賞の最終追い切りを行った
ワールドインパクト(栗東・
友道康夫厩舎)。
ファルスターを追走する内容だったが、折り合いがついた走りで、道中の手応えは十分。直線は追い出せば、弾けそうな勢いだったが、鞍上の手綱は終始動かないまま。時計は6F84.4〜5F69.4〜4F54.6〜3F40.2〜1F12.6秒と遅くないが、休み明けの前走をひと叩きして一変を期待する追い切りだっただけに、一杯に追われなかった点には不満を感じる。
先週の馬場差は「±0.0秒」。今週も馬場差に頭を悩まされているが、内目を回って速い5F時計をマークしている馬が多いことを考慮して、22日、23日とも『-0.7秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場はウッドチップ馬場が雨の影響を受けたこともあり、追い切りは比較的多かった。なお、適度なクッションが利いた馬場に見えたので、馬場差は、22日、23日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場も通常よりは少し多めの追い切り頭数。23日に単走で追われた
サトノデプロマット(栗東・
高橋亮厩舎)は、5F62.1秒と抜群に速い時計。前走は展開が厳しく、惨敗を喫したが、状態は文句ない。なお、馬場差は22日、23日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)