27日、前日に
菊花賞を制した
トーホウジャッカルは栗東トレセンの馬房で元気な様子を見せた。
「未勝利戦からレースが続いていたし、初の3000m。さすがに疲れはありますが、それでもいつもの
ジャッカルです。カイバも時間をかけながらちゃんと食べています」と担当の佃厩務員は笑顔で話した。
佃厩務員はゲートへついて行ったため、ゴールの瞬間を直接見ていないそうだ。「ゴール前でもそうだったように、舌を越していたのでそれを見るためについて行きました。ゴールの瞬間は、まわりの人が『勝った』『おめでとう』というので知りました(苦笑)。家に帰って録画してあったレースを見て、改めてこの馬の能力の高さがわかりました」
トーホウジャッカルの凄さを確認したという気持ちは谷師も同じであった。「姉の
トーホウアマポーラは1200mの重賞(
CBC賞)を勝っている馬。ダービーの前日にデビューしたけれど、フラフラになりながらの10着でした。その後、ここまでずっと張りつめながらやってきた。追い切りで学(酒井騎手)が相当自信を持っていたけれど、こちらはそこまでの確信は持てませんでした」
しかし、フタをあけてみれば勝ちタイム3分1秒0の日本レコードを樹立。2着の
サウンズオブアースを半馬身抑えて勝利を得た。
「スタートは学が出していった。攻めの競馬。自分から
菊花賞を獲りにいく競馬だった。たいしたもんやで。直線でも遊びながら走り、2着馬の気配を感じたら馬体が沈んでもうひと伸びしていました。馬も素晴らしいけれど、学が勝たせてくれました」(谷師)
今後は小松トレーニングセンターへ放牧に出てひと息入れる予定。次走は「馬の状態次第では
有馬記念を視野にいれるが、まだ未定」とのことだ。
(取材・写真:花岡貴子)