今週の栗東は基本的に好天。30日朝、運動場の砂が濡れていたので、少し雨が降ったのかも知れないが、在宅していても気付かない程度の雨量だったということだろう。29日は全国的にも冷え込みが厳しかったようだが、調教開始前の栗東の温度計は5℃だった。
ウッドチップ馬場に関しては、先週の時計を要する状態から、乾いて走りやすい状態に。ただ、夏場のように、速い時計が出るというほどではない。また、先々週まで変則開催が続き、曜日関係なく追い切りが行われる慌ただしさがあった先週までと比べて、今週は追い切りは水曜日に集中、木曜日は落ち着いた状態となった。
【坂路/4F51.9秒】
29日。一番時計は
サンレーン(栗東・
西園正都厩舎)の4F50.2秒。4F50秒台は他に3頭いたが、4F51秒台の頭数は少ない。先週の馬場差が「+1.0秒」だったので、いきなり時計の出やすい馬場に回復したということではないのだろう。よって、今週の4F50秒台は素直に評価したいところ。
そのうちの1頭が、
天皇賞・秋に出走予定の
カレンブラックヒル(栗東・
平田修厩舎)。
秋山真一郎騎手が跨って、単走での追い切りだったが、普段から気合が乗っているということもあり、スピード乗りが上々。ゴール手前では他厩舎の追い切りの影響を受けて、前が狭くなる不利があったが、全く関係なしに、力強くフィニッシュ。4F50.7秒は、ダービー卿CTの最終追い切りでマークした自己ベスト、4F50.8Fを0.1秒更新する数字。同レースには3歳時に出走して5着という実績だが、自分の競馬ができれば、非常に面白い存在になりそう。
今週は先週よりもウッドチップが回復している印象はあるが、全体的な時計の出方を見ると、まだ少し時計を要している印象。よって、29日、30日とも『+0.2秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
先週の時点から、坂路に比べて、Cコースのウッドチップはある程度時計が出る状態。それは今週になってからも変わっていない。先週は速い5F時計をマークする馬が内目を回っているという状況だったが、今週は外目を回っても、時計を要するということはない状態。よって、比較的馬場差は考えやすかった。
速い時計をマークした中では、来週の
京王杯2歳S(11月8日・東京芝1400m)を予定している、
アクティブミノル(栗東・
北出成人厩舎)。松田大作騎手が跨って、
サフランディライトを追走する内容だったが、きっちりと捕まえて先着。時計は6F81.1〜5F66.3〜4F51.9〜3F37.7〜1F12.4秒と、全体も終いもしっかりした数字を出してきた。
先週の馬場差は「-0.7秒」。全体的に標準時計をマークしている馬が多いので、29日、30日とも『-1.0秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
雨の影響を受けた先週は芝馬場での追い切りが多かったが、今週は29日、30日とも、追い切りを確認することができなかった。よって、馬場差は『±0.0秒』で記録している。
30日、ポリトラック馬場で
アルゼンチン共和国杯(11月9日・東京芝2500m)の1週前追い切りを行った
デスペラード(栗東・
安達昭夫厩舎)。追い切り馬場、単走というのは、いつも通りだったが、今回はブリンカーを着用するということで、小
林徹弥騎手が跨っての追い切り(レースは
横山典弘騎手)。初モノということで、馬も戸惑ったのか、スタートからいつもほどスピードが出る様子はない。
ゴール前、肩鞭が入ると、ゴールを過ぎてから伸びていたように、ブリンカーを着用したことで、やや反応が遅くなった印象。時計は6F80.8〜5F66.6〜4F52.5〜3F38.5〜1F11.6秒と、いつもとあまり変わらなかったが、その中身には変化があるといってよい。ポリトラックの馬場差は、29日、30日とも『-1.0秒』で記録している
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)