狙い澄ました一戦に向け、きっちりと上昇カーブを描いてきた。秋初戦の
スプリンターズS4着の
グランプリボスが、GI3勝目に向けて虎視たんたんと牙を研いでいる。渋田助手は「ひと叩きした変わり身を感じますね。並脚の力強さは、今までにないくらいです」とトーンは高い。
今春の
安田記念でも、
ジャスタウェイとの激しい叩き合いの末、鼻差の2着に入った。久々に存在感を示したが「あの時は(体調が)ひどかった。状態が良くなかったことで、折り合ったのかも。抜け出すとソラを使うところがあるが、直線で真っすぐにさえ走ってくれていればね」と唇をかむ。
マイルCSにかける思いは、どの陣営よりも強いのかもしれない。開業当初の厩舎をけん引した
スーパーホーネットは07、08年と連続2着。さらに一昨年の
グランプリボス、昨年の
ダイワマッジョーレと2着は計4回ある。「
ホーネットで獲れなかった分も、思いは強いですね。どこの厩舎も獲りたいと思っているだろうけど、ボスにはもう1回、GIを勝ってほしい」。自然と言葉に熱が帯びる。
火曜朝は栗東坂路で4F66秒8。軽快な脚さばきで登坂した。2歳時から4年連続で重賞を勝ってきたが、6歳の今年は未勝利。「このまま終わりたくない」と言い切る。3つ目のGIタイトルを手にし、高らかに完全復活を宣言する。
提供:デイリースポーツ