今年のサマーマイルシリーズ王者に輝いた
クラレント。その馬券の取捨は“状態面”の一点に尽きるだろう。重賞5勝のレース巧者で、実力は既にGIレベル。ただ、猛暑にレースを使っただけに、馬体の疲労が心配だ。輝きを放った夏の状態を取り戻せるかが最大のポイントとなる。
前走後は鳥取県の大山ヒルズへ短期放牧へ。英気を養い、GIの舞台に照準を合わせてきた。橋口師は「放牧先でもずっと調教はつけていましたから。先週は田辺ジョッキーも来てくれて好感触を得てくれた」と順調さを強調する。
最終リハは、それを証明する場となった。栗東坂路。後半のハロー(馬場清掃)間際に
カレンバッドボーイ(4歳1000万下)と併せた。テンからしまいまで、馬体を並べて抜きつ抜かれつの攻防を演じ、ほぼ併入でゴールへ。4F53秒5-39秒5-13秒4とタイムは平凡だが、馬場の傷んだ時間帯を思えば悪くない数字だ。
指揮官は「先週(4F52秒2)ほど速い時計ではないが、状態面に陰りはない。前走時も最終追いは(4F)55秒台だった」と内容に合格点。夏との比較でも「同じぐらいですね。今が一番充実しています。いかにも“私はオープン馬ですよ”といった体をしていますから」と万全の仕上げに胸を張った。
セールスポイントは「競馬センスの良さ。スッと好位につけられる。見ている方も安心。納得のいくレースをしてくれる」とうなずく。右回りを懸念する声もあるが「以前は(右回りで)舌を出していたが、今は舌を縛っているから」と意に介さない。「かなわないような強力な馬は、私自身には見当たらない。ここらでGIのタイトルが欲しいね」-。悲願達成へ、機は熟した。
提供:デイリースポーツ