馬体を並べて飛び込んだ。「第31回
マイルCS・GI」(芝1600m)は23日、京都11Rに17頭で争われ、8番人気の
ダノンシャーク(栗東・大久保龍)がレースレコードを0秒3更新する1分31秒5の高速タイムでGI初制覇を飾った。2番手追走の1番人気
ミッキーアイル(13着)が最内枠からハナを主張した14番人気
ホウライアキコ(17着)をかわして直線の攻防へ。3番人気
フィエロ(2着)が先頭に躍り出たところを中団追走の
ダノンシャークが内を突いて急接近。一騎打ちの末に鼻差で悲願のタイトルを手にした。なお、さらに1馬身半差の3着は3番手を運んだ9番人気
グランデッツァ。連覇を狙った2番人気
トーセンラーは4着だった。
直線で
フィエロが手応え良く抜け出す。岩田はその内側にあるわずかなスペースを見逃さなかった。「1頭分あるか、ないかの所。ひと脚はある馬なので。信じて追いました」。インに潜り込み、豪快なアクションで手綱をしごく。ハナづらを並べたところがゴール板だった。「微妙だと思ったけど、ターフビジョンに(自分が)映っていたので勝ったかなと」。殊勲の鞍上はホッとした表情で振り返った。
3年連続となる
マイルCS参戦だった。一昨年が6着、1番人気に支持された昨年は3着。三度目の正直で戴冠を果たした。「スカッとしました。6歳ですし、年齢的にも最後のチャンスと思っていたので。“届け、届け”と言って机を叩いてました」。07年
菊花賞(
アサクサキングス)以来、二度目のGI勝ちに
大久保龍師は目尻を下げた。
香港マイル(12月14日・シャティン、芝1600m)に登録済み。ただ、指揮官は「香港も選択肢にはあるけど中2週なので。様子を見てから」と話すにとどめた。ようやく手にしたマイル王の座。そう簡単には譲らない。
提供:デイリースポーツ