泥まみれになった36歳の“新人”が、こん身のステッキで相棒をVに導いた。「第59回
阪急杯・GIII」(芝1400m)は1日、阪神11Rに16頭で争われ、
M.デムーロ騎乗の2番人気
ダイワマッジョーレ(栗東・矢作)がV。13年の
京王杯SC以来の勝利を挙げるとともに、重賞2勝目をマークした。勝ちタイムは1分23秒8。4番人気
ミッキーアイルが鼻差の2着。さらに首差の3着には9番人気の
ローブティサージュが入った。なお、連覇を狙った1番人気の
コパノリチャードは先行策から直線でいったんは先頭に立ったが、失速して6着に敗れた。
「ドリーム(夢)みたい。本当にうれしい!」。この日、
JRA所属騎手としてデビューを果たした
M.デムーロが喜びを爆発させた。
スタートこそひと息だったが、じわじわとポジションを上げて中団の外へ。右から左へステッキを持ち替え、闘魂を注入すると、ゴール前でグイッとひと伸び。ラ
イバルを鼻差とらえた。「最後は(届いているか)分からなかったけど、良かった」と振り返る。免許取得後の初勝利を3Rで挙げると、7Rで2勝目をマーク。3勝目は豪快な重賞Vで自らの門出を祝った。
大目標は
安田記念(6月7日・東京、芝1600m)だが、優先出走権を得たことで、
高松宮記念(29日・中京、芝1200m)への参戦プランも浮上。相棒を出世街道に乗せた
M.デムーロ自身も、
ドバイシーマクラシック(28日・UAEメイダン、芝2410m)で
ワンアンドオンリー(当初はルメールを予定)への騎乗を打診されるなど、周囲の期待は増すばかりだ。最高のデビューを飾ったイ
タリアンは、今後も巧みな手綱繰りで日本の競馬界を盛り上げていく。
提供:デイリースポーツ