8日(日)に中山競馬場で行われる第52回弥生賞(GII・皐月賞トライアル)に登録をしているブライトエンブレム(牡3、美浦・小島茂之厩舎)について、追い切り後の小島茂之調教師のコメントは以下の通り。

(前走の朝日杯7着を振り返って)
「阪神の芝1600mなら、何とか対応してくれるのではないかと思っていました。しかし、結果的に距離も短かったでしょうし、3〜4コーナーの途中で前の馬がフラッとして外に振られたという不利もあったので、そこら辺は悲観していません。栗東の施設をうまく利用できたというのもあって、状態が良く、装丁師も"今までで一番しっかりと立っていられる状態だね"と言ってくれていました。レース後もそれほど疲れがなく、スタッフからも"すぐ次にどこかで使いたい"と言われていたぐらいでした。しかし、やはり大事に使っていこうということで、放牧に出しました」

(前走後の調整について)
「ノーザンファーム天栄で、乗ってもらいました。輸送も繰り返して、放牧に行ってからそれなりに疲れが感じられたので、じっくりと調整してもらいました。3週間前に帰厩して、そこからはほぼ順調に追い切りを重ねています。3歳馬にしては大人なので、著しく変わったところはありませんが、逍遥馬道とか、今まで使ったことがない所を使うことで、筋肉のつき方などしっかりした面があると思います。見えない経験も積んできていると思うので、いろいろなプラスがあったのではないでしょうか。今までになく量を増やして調教をやっているので、あまり体重は気にせず、しっかりと食べさせて、調教を積んでということで、それほど変わらない数字では出られるのかなと思っています。担当している厩務員から、"以前と違うのが、強い調教をやってもカリカリしなくなってきた"と。前は一回イライラするところが出て、そこからまた落ち着いたということですが、その苦しいところを簡単に乗り越えられるようになってきたと思います。大事にしてきて、ゆっくり一つ一つ積み重ねてきた効果なのか、あとは体力が付いて馬が少々のことではへこたれなくなってきたのではないでしょうか」

(調教について)
「本当は、しっかりと一週前はやろうかなと思っていました。しかし、中間の調教で量を増やしたので、たまたま前の日の調教の後の、左トモの股関節の動きが少し気になったので、ここで無理をしても来週の追い切りがあるのだからということで、先週は予定より軽く、それでもしっかりと併せ馬をしました。先週末にさらに踏み込んだ強い調教をやって、今日は予定通り、先週やる分だった強い調教を消化できました。うまく行っているなと思います。前を行く2頭を追いかけて、直線に入ったらしっかり追ってもらいました。ただ、先週トモが気になったところと、今日は馬場が少し悪かったので、直線に入った時に簡単にスッと追い出すのではなくて、後ろ脚に力を入れて、馬が踏ん張ってから追い出してくれと指示しました。その分、ゴール板のところでは遅れていましたが、ゴールしてからもしっかり最後まで追ってくれました。予定通りの追い切りができたと思います。今日追い切る前に、私が少し跨って状態を確認しましたが、すごく良かったです。田辺騎手も追い切った後に"何かあるかな？"と聞いたら、"何もないです"ということでした。トライアルではありますが、良い状態で出せるのではないかと手応えを感じています。一回一回良くなっている感じはありますが、まだまだ完成という意味では先だなと思いますし、当然この後の目標もあります。だからといって手加減した仕上げではないつもりなので、楽しみです」

(今回のレースについて)
「右回りは前回の阪神で経験をしています。しかし、中山はまた違う形体なので、走ってみないと分からないというのはあります。普段、右回りの調教で全然気にはならないですし、何よりも次の大一番と同じ舞台なので、上手にこなしてくれて、何か課題が出てくればそれを直して、というふうに考えています。追って追って渋太く伸びてくるタイプなので、どちらかというと、3〜4コーナーも途中ぐらいからみんな動き出すので、競馬場としては合っているのではないでしょうか。距離が長くなることに関しては、少なくとも2000mは全然問題ないと思います。相手を気にしていては仕方がないので、ブライトエンブレムがどういう状態で出せるか、ただそれだけです。良い状態で出して、良い競馬をしてくれれば、それで良いです。目標は先だというのはあるのですが、やはり皆さんに期待してもらって臨みたいです。幸い状態も良く、レースを楽しみにしているので、応援よろしくお願いします。」

(取材：米田元気)

ラジオNIKKEI