1着馬に高松宮記念(GI)優先出走権が与えられるオーシャンS(GIII・芝1200m)が、3月7日(土)に中山競馬場で行われる。一昨年のこのレースの覇者サクラゴスペルをはじめ、美浦から出走する各馬について関係者に話を聞いた。

サクラゴスペル(牡7・美浦・尾関知人)について、尾関調教師。
「昨年の高松宮記念でひどい馬場を走ったのが尾を引いて、その後成績が出ていませんでした。2走前(オーロC・8着)は東京の芝1400mという得意の条件で気持ち良く走れましたし、前走(ラピスラズリS・2着)は、58キロを背負ってはいましたが、この馬らしい走りをしてくれたと思います。前走後は状態は良かったのですが、使うレースがありませんでしたし、一昨年にこのレースを勝った時もラピスラズリからのローテーションでしたから、今年も同じにしました。

　今週(3/4)は、坂路で折り合いもついていましたので、併せた方が気合いが乗るかと思い、併せ馬で追い切りました。ところがやってみると前半引っ掛かり、最後は脚が上がってしまいました。ただ雨が降った後の馬場状態でしたから、しっかり負荷はかかったと思います。ココロノアイで横山(典)騎手には阪神に行ってもらいますので、今回は戸崎騎手が騎乗します。普段は気難しいところがある馬ですが、レースでは乗りやすいですし、信頼してジョッキーに任せるだけですね」

ショウナンアチーヴ(牡4・美浦・国枝栄)について、国枝調教師。
「今回の前に途中1度入厩しましたが、腰の具合が今ひとつだったので、再度放牧に出しました。少し長引きましたが、帰厩してからは問題なくきていますし、順調です。今週(3/5)は、蛯名騎手が乗ってウッドチップコースで追い切りましたが、前の馬を追走して最後は併入という指示でした。時計も手応えも良かったですし、レースで能力は発揮できると思います。1600mのレースを使ってきましたが、もう少し短いところの方が終い生かす競馬ができるのではないかと思います。ここで良い結果が出れば、高松宮記念も視野に入ってきますので、頑張ってほしいですね」

スマートオリオン(牡5・美浦・鹿戸雄一)について、鹿戸調教師。
「競馬なので仕方ないですが、前走(ラピスラズリS・7着)は不利もありましたし、運もなかったですね。スムーズなら結果は違ったと思いますし、力負けはしていないと思います。前走後は一息入れて、昨年このレースを勝った時と同じくらいの良い状態で出られそうです。間隔が開いても苦にするタイプでもありません。よほど酷い馬場はどうかと思いますが、道悪でも頑張ったこともありますし、こなせるでしょう。うまく流れに乗ってほしいですね」

ベステゲシェンク(牡5・美浦・古賀慎明)について、柴山雄一騎手
「今週(3/4)の追い切りは、前の馬を見ながら直線で併せるという指示でした。馬はできているので、内でずっと馬也で、サラッとやりました。でも併せるとグイグイと行こうとしていました。乗りやすくて力があるという感じでしたし、馬の状態も良さそうですね。どんなレースをするかは、先生とも相談すると思いますし、枠順が決まってからですね。見た感じ、前走のシルクロードS(GIII・4着)も終いあれだけ伸びていいますし、力がありそうなので楽しみです」

プリンセスメモリー(牝8・美浦・高橋義博)について、高橋調教師。
「シルクロードSはフレグモーネで取り消して、4日間ほど完全休養しましたが、その後は順調です。得意の中山の1200mですが、あまり硬い馬場にならない方が蹄への負担が少ないので、雨が降ってくれるのはかまいません。体が入る幅さえあれば、馬群に突っ込んでいく根性があります。あとは自分の競馬をするだけです。一瞬の脚を生かせる展開になってほしいですね」

バクシンテイオー(牡6・美浦・堀宣行)について、橋本篤典調教助手。
「前走のシルクロードSは内から一瞬あわやという場面があっての5着でした。クラス慣れをしてきましたし、脚質に幅も出てきました。レース後は放牧に出ましたが、去年の夏頃から力をつけてきましたし、元気は引き続き良いですね。1200mの距離も問題ないですし、また頑張ってくれるのはないでしょうか」(取材・写真：佐々木祥恵)